アリババ、2022年末の香港での再上場計画を見送り

2022/11/21 17:30

香港での再上場を目指している大手通販サイトのアリババは11月17日夜、正式に手続きを終える前に新たな社員持株計画を策定し株主で審査する必要があると発表した。今回修正されたルールによるものという。これにより、当初予定していた2022年末の上場達成は見送りとなる。

アリババはまたこの日、9月末までの2022年度第2四半期の決算も発表した。売上高は前年同期の2006.9億元(約3.96兆円)より3.23%増えて2071.76億元(約4.08兆円)、また収益は同じく前回の33.77億元(約665.8億円)の黒字から-206.61億元(約4073億円)となっている。

アリババグループ役員会の会長であるダニエル・チャン(張勇)CEOは決算発表の電話会議で、「景気が不安定な中で各事業者ともが営業への出費を控える傾向にある。コロナの前後で一番変わったのは営業効果の達成率、つまりROI(投資利益率)であり、効果の出る広告や商品露出量を求めるようになった」と述べている。

左二はアリババグループ役員会の会長であるダニエル・チャン(張勇)氏

事業の軸である小売業について、中国では小売事業全体でアリババの営業収入が占める割合は63%となっている。今季はこの部分が前年比1%減の1312.22億元(約2.59兆円)であり、うち顧客管理(CRM)が7%減って664.97億元(約1.3兆円)であった。この主な理由は、消費需要の伸び悩みや新型コロナウイルスの影響が尾を引いているためで、ECサイトのタオバオや天猫で商品取引総額(未決済注文分を除く)が前年比一桁ダウンとなっている。

CRMの収入減について、コロナによる出荷への支障、ライブ販売などでの返品率の上昇、またアプリで返品がしやすくなっていることなどが理由となっている。チャン氏は「これら3つの理由で返品率が全般的に上昇しており、これによりCMRの落ち込み幅が返品要因を除いた商品取引総額の落ち込みより高くなっている」と見ている。

2007 年にアリババは香港で初めて上場し、2012 年に香港証券取引所から撤退した。

(中国経済新聞)