人気歌手で俳優のレスリー・チャン(張國榮)の没後20周年にあたる2023年4月1日、世界中のファンが故人を偲んだ。かつての恋人テレサ・モウは、故レスリー・チャンとの思い出を語る。
1977年、女優テレサ・モウとレスリー・チャンは同じプロダクションに所属していた。レスリー・チャンはテレサ・モウに一目惚れし、バラの花束を持ってプロポーズを試みたが失敗、その後も何度か思いを伝えたが実ることはなかった。2003年にレスリー・チャンが自殺する前のインタビューでテレサ・モウは「もしあの時プロポーズを受け入れていれば、彼の運命を変えられたかもしれない」と心の内を語っている。
テレサ・モウはデビュー当時、清純で愛らしい容姿をしており、紅楼夢の林黛玉を演じて人気を博していた。
テレサ・モウは多くの男性にとって女神のような存在であり、レスリー・チャンが彼女に恋をしたのも自然な流れだったのかもしれない。レスリー・チャンはテレサ・モウと交際を始めて数ヶ月後、彼女にプロポーズをした。しかし交際期間が短い中での突然のプロポーズは逆にテレサ・モウを怖がらせてしまい、その後、彼女はレスリー・チャンを避けるようになった。
それから数年後、レスリー・チャンは「あの時、あなたが私と結婚してくれていたら。もしかしたら私の人生は変わっていたかもしれない」という言葉を残している。
その後、2人の運命は不運に見舞われる。テレサ・モウはレスリー・チャンと別れた後、何度も離婚を経験し、レスリー・チャンは鬱に悩まされ最終的に自ら命を絶ってしまう。
テレサ・モウは嘗てのインタビューで「レスリー・チャンは演技に対して情熱を持っており、撮影が終わると、今回の作品は私が俳優になってから最高の出来になったと笑顔で語っていた」と述べている。テレサ・モウの肩を抱き寄せ、「この作品が大好きだ」というレスリー・チャンの姿が彼の思い出とともに蘇ってくる。
もしかしたら、これが2人の愛の姿だったのかもしれない。没後20周年を迎え、テレサ・モウの心にはレスリー・チャンとの良き日々が思い出される。
(中国経済新聞)