2026年の幕開けとともに、成長を続けてきた太陽光発電産業に異変が広がっている。かつて拡大一辺倒だった現場では、今や静けさが漂い始めた。
春節前、安徽省や浙江省、内モンゴル自治区など各地の太陽光発電関連工場が相次いで操業停止に踏み切った。突然の通知とともに、生産ラインは数カ月単位で止まり、これまで機械音に満ちていた工場は一転して静まり返った。設備だけが無言で並ぶ光景は、個別企業の問題というより、業界全体の「急ブレーキ」を象徴している。
実際、2025年には国内の主要な太陽光パネルメーカーが合計で600億元を超える赤字を計上した。複数の大手企業がそろって損失に陥り、「勝ち組なき消耗戦」の様相を呈している。

価格下落から始まった構造不況
今回の冷え込みは突然のものではない。兆しは2023年にはすでに現れていた。製品価格の下落と受注減少が進む中、業界は当初、旧式設備の淘汰によって需給が改善すると楽観視していた。しかし2年を経ても回復の兆しは乏しく、むしろ状況は悪化。賃金の支払いが滞る企業も増え、「休業」の長期化が常態化している。推計では、この調整局面で15万人以上が太陽光発電業界を離れたとされる。
外需依存のツケと再びの貿易圧力
現在の苦境の伏線は、十数年前にさかのぼる。2012年、欧州が反ダンピング・反補助金措置を発動し、輸出依存度の高かった中国の太陽光発電産業は初の深刻な打撃を受けた。
その後、企業は東南アジア経由で輸出する迂回ルートを構築し、危機を乗り越えてきた。しかしこの方法も長くは続かなかった。2024年5月、米国が太陽電池への関税を25%から50%へ引き上げ、さらに東南アジア製品にも課税を再開。輸出の逃げ道は事実上ふさがれた。
内需でも激化する消耗戦
輸出が細る一方で、国内では過剰な設備投資により価格競争が一層激化した。需要の伸びを上回るペースで生産能力が拡張され、製品価格は採算割れに近い水準まで下落している。
2026年初頭には、山東省が期限内に完成しなかった太陽光発電プロジェクト63件を一括整理。2024年以降、総額1000億元を超えるプロジェクトが停止または中止に追い込まれたとされる。
さらにコスト面でも逆風が強い。主要材料である銀の価格は年初から30%以上上昇し、シリコン原料も高止まりが続く。販売価格は下がる一方でコストは上昇する「板挟み」の状態となり、多くのプロジェクトが採算を失っている。
「拡大競争」から「生存競争」へ
需要減と価格下落に直面した企業にとって、人員削減は即効性のある対応策となった。2025年前半だけでも、大手数社で1万4000人以上が削減されたとされる。しかし、リストラや操業停止だけでは根本的な解決にはならない。現在の危機は一時的な景気変動ではなく、産業のあり方そのものの転換を迫る局面にある。かつては「どれだけ速く拡張できるか」が競争の軸だったが、今問われているのは技術力、資金力、そして持久力である。
エネルギー転換の中で迎える分岐点
もっとも、世界的なエネルギー転換の流れ自体が後退したわけではない。太陽光発電の需要は一時的に先送りされているに過ぎず、中長期的には依然として成長の余地が大きい。
2026年は、その意味で分岐点となる。今回の調整局面を乗り越えた企業は、次の成長期により大きなシェアを獲得する可能性が高い。一方で、体力を失った企業は市場からの退出を余儀なくされるだろう。
急成長の反動として訪れた今回の「寒波」は、太陽光発電産業が真の成熟段階へ移行する前触れでもある。次の春を迎えられる企業は、決して多くはない。
(中国経済新聞)
