中米首脳、北京会談で「建設的戦略安定関係」に合意 大国関係の新たな枠組み打ち出す

2026/05/15 11:00

中国の習近平国家主席と、アメリカのドナルド・トランプ大統領は14日、北京で首脳会談を行い、「中米建設的戦略安定関係」の構築を新たな両国関係の位置づけとすることで一致した。両首脳は、協力を基調としつつ競争を適切に管理し、世界の安定と発展に共同で責任を果たす姿勢を示した。

14日午前、北京の人民大会堂東門前広場では、歓迎ラッパが鳴り響く中、習主席が遠路訪中したトランプ大統領を出迎えた。両首脳は数歩の距離まで近づくと、互いに手を差し伸べ、十数秒にわたり笑顔で握手を交わした。その様子は世界の主要メディアのトップニュースとなった。これは昨年10月の釜山会談以来の再会談であり、北京で中米首脳が握手を交わすのは9年ぶりとなった。

歓迎式典では、中国人民解放軍軍楽団が行進曲「越过海洋的握手(海を越える握手、Hands Across the Sea)」を演奏した。同曲は1899年に米国の作曲家ジョン・フィリップ・スーザが作曲したもので、米中友好への願いが込められている。2011年に中国軍楽団が初めて米軍基地で演奏した際にも披露された曲であり、今回再び歴史的な中米首脳会談を彩った。

歓迎式典、正式会談、天壇散策、晩餐会などを通じ、両首脳は5時間以上にわたり行動を共にした。会談では、中米関係だけでなく、世界の平和と発展に関わる重要課題について踏み込んだ意見交換が行われた。

習主席は会談で、「2026年を中米関係にとって継往開来の歴史的・象徴的な年にしたい」と表明した。中国では第15次五カ年計画が始動し、米国では独立250周年を迎える節目の年となる。

北京の人民大会堂東大庁で行われた首脳会談では、習主席が世界に向けて三つの問いを提示した。「中米両国は“トゥキュディデスの罠”を乗り越え、新たな大国関係のモデルを築けるのか」「地球規模の課題に協力して対応し、世界にさらなる安定をもたらせるのか」「両国民と人類の未来のために、より良い中米関係を切り開けるのか」という問いである。

会談は2時間15分以上に及び、その中で両首脳は「中米建設的戦略安定関係」を新たな関係定位とすることで合意した。これは今後3年間、さらにはそれ以降の中米関係に戦略的指針を与えるものと位置づけられている。

習主席は、「戦略認識の問題は中米関係における第一ボタンだ」と指摘したうえで、「建設的戦略安定」は、協力を主体とする積極的安定であり、適度な競争による健全な安定であり、対立を制御可能な範囲に収める常態的安定であり、平和を展望できる持続的安定でなければならないと説明した。

さらに習主席は、「建設的戦略安定関係は単なるスローガンではなく、双方が歩み寄る行動で実現されるべきものだ」と強調した。これに対しトランプ大統領は、「習主席とともに意思疎通と協力を強化し、相違を適切に管理しながら、史上最高の米中関係を築きたい」と応じた。

会談では台湾問題についても議論が交わされた。習主席は「台湾問題は中米関係で最も重要かつ敏感な問題だ」と強調し、「適切に処理できれば両国関係は安定を維持できるが、誤れば衝突を招きかねない」と警告した。また、「台湾独立」と台湾海峡の平和は相容れず、米側は台湾問題を極めて慎重に扱うべきだとの認識を示した。

今回の会談では、異例の場面も見られた。イーロン・マスク氏、ティム・クック氏、ジェンスン・フアン氏ら10人以上の米国企業トップが会談場に同席し、トランプ大統領が習主席に一人ずつ紹介した。トランプ大統領は「米国経済界の代表者を同行させた。彼らは中国を重視しており、対中協力の拡大を積極的に後押ししたい」と語った。

習主席は、中米経済関係の本質は「互恵とウィンウィン」にあるとした上で、「対立や摩擦に直面した場合でも、平等な協議こそ唯一正しい選択だ」と指摘した。また、「中国の対外開放の扉は今後さらに大きく開かれる。米企業は中国の改革開放に深く参加しており、中国は米国企業による相互利益協力の拡大を歓迎する」と述べた。

両首脳はこのほか、中東情勢、ウクライナ危機、朝鮮半島問題についても意見交換を行った。また、今年開催予定のアジア太平洋経済協力会議首脳会議と、G20首脳会議の成功に向け、相互に支持し合うことで一致した。

両首脳は天壇内の祈年殿も視察した。習主席は、中国古代の為政者が天壇で国家安泰と豊作を祈願した歴史に触れ、「民を国家の根本とする」中国の伝統思想について説明した。また、中国共産党はこうした民本思想を継承し、人民への奉仕を根本理念としていると強調した。

これに対しトランプ大統領は、中国の古典建築や伝統文化を高く評価した上で、「米中両国はいずれも偉大な国家であり、両国民も知恵に富んだ偉大な人民だ」と述べ、相互理解と民間交流の深化を呼びかけた。

同日夜の歓迎晩餐会では、両首脳がそれぞれ演説を行った。習主席は改めて「中米建設的戦略安定関係」の重要性を強調し、「中米関係の安定的、健全かつ持続可能な発展を推進し、世界にさらなる平和と繁栄、進歩をもたらしたい」と述べた。

さらに、「中米関係は両国17億人以上の人民の幸福を担い、世界80億人余りの利益にも関わる」とした上で、「双方はこの歴史的責任を共に担い、中米関係という巨大な船を正しい航路に沿って安定的に前進させるべきだ」と呼びかけた。

(画像:CCTV放送より)

(中国経済新聞)