Ⅲ.2026年の経済・社会発展の全般的要請と政策の方向性
今年は第15次5ヵ年計画実施の最初の年である。政府活動を完遂すべく、習近平同志を核心とする党中央の力強い指導の下、習近平「新時代の中国の特色ある社会主義」思想を導きとし、第20回党大会と第20期中央委員会各回全体会議の精神を深く貫徹し、党の20期4中全会と中央経済工作会議の配置を真摯に実行し、新たな発展理念を完全に、正確に、全面的に貫徹し、新たな発展の形の構築を急ぎ、質の高い発展の推進に力を注ぎ、「安定を保ちつつ前進を求める」という活動全体の基調を堅持し、国内と国際という二つの大局を統一的に考慮し、発展と安全をよりよく統一的に考慮し、より積極的で効果的なマクロ政策を実施し、政策の先見性・的確性・協調性を強化し、内需の拡大・供給の最適化を持続的にはかり、新規増加の最適化と全体ストックの活性化を行い、各地の実情に応じて新質生産力を発展させ、全国統一大市場の建設をいっそう踏み込んで推進し、重点分野のリスクを持続的に防止・解消し、雇用・企業・市場・期待の安定に力を入れ、経済の効果的な質的向上と合理的な量的拡大の実現を推進し、社会の調和と安定を維持し、第15次5ヵ年計画の良いスタートを切らなければならない。
今年の主な所期目標は次のとおりである。◇経済成長率は4.5%~5%とし、実際の取り組みにおいてよりよい結果が得られるよう努める。◇都市部調査失業率は5.5%前後、都市部新規就業者数は1200万人以上とする。◇消費者物価の上昇幅は2%前後とする。◇住民所得の伸び率を経済成長率と同ペースに保つ。◇国際収支の基本的均衡を維持する。◇食糧生産量は7億トン前後とする。◇GDP1単位当たりの二酸化炭素排出量を3.8%前後削減する。
これらの所期目標を提起するに当たり、主に第15次5ヵ年計画実施の最初の年において、構造調整・リスク防止・改革促進のために余裕を残し、今後のよりよい発展のために基礎をうち固めることを考慮した。経済成長の目標は、2035年までの長期目標と全般的に紐づき、わが国の経済の長期的潜在成長力と基本的に一致するのである。この目標の達成には、有利な条件が整っており、各地区が現地の実情とにらみ合わせて、着実な取り組みによってよい結果を得るようにする必要がある。都市部調査失業率5.5%前後の目標は、雇用機会の不足と雇用ミスマッチの圧力が増す状況下で雇用優先という政策の方向性を堅持し、雇用の安定にいっそう注力するという要請を示している。消費者物価の上昇幅を2%前後としたのは、期待の誘導と現実的な可能性を考慮したためであり、われわれは総供給と総需要の関係を調整することによって、一般物価水準をマイナスからプラスに転じさせ、消費者物価が合理的で緩やかに再上昇するよう推進し、経済の好循環を促進する。GDP1単位当たりの二酸化炭素排出量を3.8%前後削減することとしたのは、経済・社会発展、グリーン化・低炭素化、国のエネルギー安全保障などさまざまな需要を総合的に考慮したためであり、2030年までに二酸化炭素排出量のピークを迎えるという目標を秩序立てて達成することにつながるものである。
政策の方向性において、われわれは「安定を保ちつつ前進を求める」ことと質・効率の向上を堅持し、既存政策と新規政策との相乗効果を発揮させ、カウンターシクリカル調節とクロスシクリカル調節を強化し、マクロ経済ガバナンスの効果を着実に向上させる。
引き続きより積極的な財政政策を実施する。今年、財政赤字の対GDP比は4%前後とし、財政赤字は前年比2300億元増の5兆8900億元とする。一般公共予算の歳出は前年比約1兆2700億元増とし、はじめて30兆元以上に達する。超長期特別国債を1兆3000億元発行し、「二つの『重』」の建設および「二つの『新』(大規模設備更新と消費財の買い替え)」の取り組みなどを持続的に支援する。特別国債を3000億元発行し、国有大型商業銀行の資本注入に充てる。地方特別債は4兆4000億元とし、特別債プロジェクトネガティブリスト管理と「自己審査・自己発行」の試行を改善し、重要プロジェクトの建設、隠れ債務の置き換え、企業への政府未払金の支払などを重点的に支援する。今年は引き続き相当規模の財政支出を維持し、支出構造の最適化に持続的に力を入れ、消費の押し上げ、「ヒトへの投資」、民生の保障などの面をいっそう重視し、財政資金の運用効果を向上させる。地方財政力強化のための中央財政移転の規模を拡大し、移転支出金の統合・統一運用の試行を展開し、地方の自主財源とその統一運用能力を向上させる。各級政府の保障上の主体的責任を厳格に実行し、末端政府の「三つの保障」の最低ラインをしっかりと守る。各級政府はよりよく責任を持って財政資金を運用し、収入増加・支出節減の仕組みを確立・整備し、資源・資産ストックを積極的に利活用し、財政規律を厳格にし、予算拘束力を強化し、行政運営費を厳しく抑え、支出切り詰めの要請を徹底的に実行し、節減された分の経費は一銭たりとも余すことなく、発展の鍵となる部分および大衆の切実な需要に使わなければならない。
引き続き適度な金融緩和政策を実施する。経済の安定的な成長と物価の適正な再上昇の促進を金融政策の重要な考慮事項とし、預金準備率と政策金利の引き下げなどさまざまな政策ツールを柔軟かつ効果的に活用し、潤沢な流動性を維持し、社会融資規模(企業や個人の資金調達総額)とマネーサプライが、経済成長、一般物価水準の所期目標とつり合うようにする。構造的金融政策ツールを改善・刷新し、適度に規模を拡大し、実用の方式を完備する。金融政策の波及メカニズムの円滑化をはかり、データ要素や知的財産権など無形資産の役割を十分に発揮させ、考課・評価、融資担保、リスク補償などの支援策を強化し、金融機関が内需拡大、科学技術イノベーション、中小・零細企業など重点分野への支援にいっそう力を入れるよう導く。クレジット市場の経営行為を規範化し、融資にかかる手数料を引き下げ、民間資金調達のコストが低水準で推移するよう促進する。人民元相場の均衡為替レートに沿った安定的な推移を保つ。
改革措置とマクロ政策との連携を強化する。質の高い発展を推進するには、政策の役割を発揮させるだけでなく、改革に力を注がなければならない。改革という方法によって経済循環の行き詰まりを解消し、政策の効果を経済成長の内生的原動力に転化させる必要がある。マクロ政策の整合性と有効性を強化し、各種経済政策と非経済政策、既存政策と新規政策をマクロ政策整合性評価の対象とし、各種政策措置が方向性を合わせてシナジーを生み出すようにする。財政・金融・雇用・産業など政策間の連携を強化し、政策間の接点を深掘りし、実施ツールを刷新し、ポリシーミックスの効果を持続的に拡大する。期待管理の仕組みを整え、成長期待の向上を促す。
(中国経済新聞)
