W杯開幕で注文殺到!中国工場は深夜1時までフル稼働 「義烏製」が世界市場を席巻

2026/06/14 13:00

2026年FIFAワールドカップ(W杯)の開幕に伴い、中国メーカーが生産するサッカー関連グッズの需要が急拡大している。ユニホームや記念グッズの注文が世界各地から相次ぎ、中国の販売業者や工場は深夜まで稼働する繁忙期を迎えている。

サッカーグッズを手掛けて10年になる中国の販売業者・A氏は、「最近は毎日午前1時ごろまで工場を稼働させている」と語る。W杯開幕後は急ぎの注文が急増し、残業が常態化しているという。

A氏によると、今大会期間中に生産するユニホームは約15万着に達する見込みで、前回のカタールW杯時の約6万着を大きく上回る。売上高は当初予想を大幅に超え、前年比で50~60%増となる見通しだ。

現在、最も人気を集めているのはスペイン代表をイメージしたデザインのユニホームだ。A氏が運営するオンラインショップでは、単一商品だけで1日400~500枚を販売している。スペイン本国に加え、スペイン語圏の中南米諸国でも需要が高いことが背景にあるという。

また、開催国である米国やメキシコをモチーフにした商品も好調だ。さらに、今大会に出場していないイタリア関連グッズも堅調な売れ行きを示している。オーダーメードユニホームでは、スペイン代表の若手スター選手、Lamine Yamal(ラミン・ヤマル)の名前が最も多くプリントされているという。

競技場の外でも、中国製品の存在感は際立っている。中国東部・浙江省の義烏税関によると、今年1~2月のスポーツ用品輸出額は23億4,000万元(約500億円、1元=約21.5円換算)に達し、前年同期比38.5%増となった。

業界団体の推計では、前回のカタールW杯で販売された関連グッズの約7割を「義烏製」が占めたとされる。今大会でも同様のシェアを維持する見通しだ。米国、カナダ、メキシコ向けのスポーツ用品輸出額は5億5,000万元(約118億円)に達し、前年同期比21.3%増加した。

中国の販売業者にとって、W杯関連商品の販売サイクルは約1年間に及ぶ。A氏によれば、2025年5月頃から受注が始まり、同年10月に最初のピークを迎えた。そして現在、W杯開幕を受けて第2のピークに入っている。

今後は決勝トーナメントの進行に合わせて、勝ち残ったチームの関連商品を重点的に生産する予定だという。「決勝戦の1週間前までは忙しい状態が続くだろう」と話す。

また、トロフィーやメダルを製造する義烏の企業関係者によると、最近はキーホルダーやバッジ、冷蔵庫用マグネットなどの急ぎの注文が増加している。特にW杯優勝トロフィーをモチーフにした商品への人気が高いという。

業界関係者は、中国企業の競争力として、柔軟かつ迅速なサプライチェーン対応能力を挙げる。浙江省義烏などの産業集積地では、小ロットから大量生産まで短期間で対応できる体制が整っており、W杯のような大型スポーツイベントにおける急激な需要変動にも対応できる。

さらに、中国企業はライブコマースやショート動画、SNSを活用したデジタルマーケティングにも強みを持つ。越境ECを通じて海外消費者の需要を素早く把握し、人気商品の開発・販売につなげている。

A氏は「W杯による一時的な特需も重要だが、最終的には北米や中南米市場で継続的な成長を実現したい」と語る。前回大会後には中東市場での販路拡大に成功しており、今大会を契機に新たな海外市場の開拓を目指している。

(中国経済新聞)