中国の31省・自治区・直轄市が2026年上半期の財政収支を相次いで公表した。各地方政府が公開したデータを集計すると、地方政府の一般公共予算収入では広東省が約7421億元(約17兆700億円)で全国首位となった。一方、伸び率では西蔵自治区が約37%と突出しており、地域によって大きな違いがみられた。(※円換算は1元=約23円。)
広東省統計局によると、上半期の地方一般公共予算収入は約7421億元(約17兆700億円)で、前年同期比2.8%増となった。年初に設定した年間目標の3%に近く、全国の地方平均である2.7%をやや上回った。
広東省は経済規模が長年にわたり中国最大で、地方一般公共予算収入も35年連続で全国首位を維持している。2025年には中央政府への財政上納額が1兆元(約23兆円)を超え、全国トップとなった。

広東省広州市のホテル
今年上半期の広東省の財政収入は、2位の江蘇省を約1480億元(約3兆4000億円)上回った。この差は、全国で中位に位置する重慶市の上半期財政収入規模に匹敵する。
2位は江蘇省、3位は浙江省で、いずれも5000億元(約11兆5000億円)を超えた。
江蘇省財政庁によると、上半期の一般公共予算収入は5941億元(約13兆7000億円)で、前年同期比1.8%増。うち税収は4545億元(約10兆5000億円)で3.4%増となり、一般公共予算収入に占める税収の割合は76.5%だった。税収の伸びが全体の収入を上回っており、財政収入の質は比較的高いといえる。
浙江省の一般公共予算収入は5551億2400万元(約12兆8000億円)で、前年同期比0.5%増にとどまった。年間目標の2%を下回ったが、税収は4452億3300万元(約10兆2000億円)で3.5%増加し、年間目標の2.1%を上回った。税収の比率も80.2%と高い。
浙江省の収入の伸びが鈍化した主な要因は、非税収入の減少だ。上半期の非税収入は前年同期比9.9%減少した。
上海、山東両省・市の上半期財政収入は4000億元(約9兆2000億円)を超え、それぞれ4位と5位につけた。北京は6位となった。
広東、江蘇、浙江、上海、山東、北京の東部6省・市だけで、上半期の地方一般公共予算収入は合計約3兆2000億元(約73兆6000億円)に達した。全国の地方一般公共予算収入に占める割合は約47%で、東部6省・市が中国全体の地方財政のほぼ半分を占めている。
また、これら6省・市は中央財政への純上納額が大きい地域でもあり、国家全体の財政力を支える重要な役割を担っている。
7位は四川省で、上半期の財政収入は3000億元(約6兆9000億円)を超えた。河北、河南、湖北、福建、安徽の5省も2000億元(約4兆6000億円)を上回った。
湖南、陝西、江西、山西、遼寧、内蒙古、新疆、重慶、天津、貴州、雲南の11省・自治区・直轄市は1000億元(約2兆3000億円)を超えた。一方、1000億元を下回った地域もあり、青海省は172億元(約3956億円)で最も小さかった。
財政収入の規模だけでなく、前年同期からの伸び率を見ると、地域ごとの違いがさらに鮮明になる。31省・自治区・直轄市のうち、上半期に財政収入が増加したのは28地域。遼寧、広西、江西の3地域では減少した。

伸び率トップは西蔵自治区で、約37%という高い伸びを記録した。これにより、西蔵の財政収入は青海を上回り、これまでの最下位から脱した。
2位は新疆ウイグル自治区で10%増。甘粛、陝西、北京、上海、重慶、青海なども5%を超える伸びを示した。
粤開証券の首席エコノミスト、羅志恒氏は、西蔵の財政収入が高い伸びを示した背景について、中央政府による政策支援に加え、雅下水力発電所の建設、農牧業、医薬、クリーンエネルギーなど特色ある産業の発展が収入増につながったと分析している。また、各種資産・資源の活用を進めたことも収入を押し上げたという。
新疆については、主要産業の企業収益が改善し、主要な税収が増加したことが大きい。さらに、国有資産・資源の活用を進めたことで、非税収入も増加したとみられている。
全国ベースでは、2026年上半期の地方一般公共予算本級収入は前年同期比2.7%増となった。これは前年同期をやや上回り、2026年通年の目標である2.4%増ともおおむね整合する。
中国の地方財政は、地域の経済規模や産業構造によって収入規模に大きな差がある一方、上半期のデータからは、東部の経済大省が引き続き財政力を維持する一方、西部地域では政策支援や特色産業、資産活用などを背景に財政収入を伸ばす動きも浮かび上がっている。
(中国経済新聞)
