中国で中秋節と国慶節の大型連休を目前に控え、高速鉄道の運賃変動が注目を集めている。ただし、今回の価格変動は単純な「連休期間の値上げ」ではない。鉄道運賃の市場化が進むなか、各路線が旅客需要や時間帯などに応じて割引率を調整した結果とみられる。
中国メディアの第一財経が、京沪(北京―上海)、京広(北京―広州)、武広(武漢―広州)などの主要高速鉄道路線を調査したところ、今年の中秋節・国慶節前の運賃には「上昇」と「下落」の両方が見られた。
一部の人気長距離路線では運賃が大幅に上昇し、上昇幅が50%を超えるケースも確認された。一方で、中秋節を前に値下げされた列車もあり、同じ路線でも中秋節前と国慶節前で価格の動きが必ずしも一致していない。

値下げの代表例となったのが、ビジネス需要の多い京沪高鉄(北京―上海高速鉄道)だ。上海虹橋駅から北京南駅へ向かうG44列車の場合、9月18日の実際の運賃は、2等席が661元(約1万5,500円)、1等席が1,058元(約2万4,800円)だった。
ところが中秋節前日の9月24日には、2等席が626元(約1万4,650円)、1等席が1,033元(約2万4,200円)まで下がった。9月18日と比較すると、2等席は35元(約820円)、1等席は25元(約590円)の値下げとなる。
このように、連休が近づけば一律に運賃が上昇するわけではない。旅客需要の状況などを踏まえ、列車や時間帯によって割引率が変わるため、同じ路線でも乗車日によって支払う金額が異なる。
今回の動きから浮かび上がるのは、中国の高速鉄道で進む運賃の市場化だ。需要が集中する時間帯や路線では運賃が引き上げられる一方、需要が比較的弱い列車では割引によって価格が引き下げられる場合もある。そのため、今回の中秋節・国慶節シーズンでも、「連休だから高速鉄道が一斉に値上げされた」と単純に捉えることはできない。
実際、人気の長距離路線では運賃が大幅に上昇するケースがある一方、北京―上海線のように、ビジネス客が多い路線でも一部列車で値下げが行われている。
中国では大型連休のたびに高速鉄道の利用者が増えるが、今後は「どの路線か」だけでなく、「何日の何時の列車か」によって運賃が変わる傾向がさらに鮮明になる可能性がある。
(中国経済新聞)
