中芯国際、四半期売上高が初の30億ドル突破 AI需要追い風に半導体受託製造が加速

2026/08/14 11:06

中国の半導体大手、中芯国際集成電路製造(SMIC)は8月13日、2026年第2四半期(4~6月)の業績を発表した。売上高は前年同期比36.1%増の30億600万ドル(約4810億円)となり、四半期ベースで初めて30億ドルの大台を突破した。市場予想の28億6600万ドル(約4586億円)も上回り、半導体需要の回復と生産能力の拡大が業績を押し上げた。

純利益は4億7900万ドル(約766億円)と、前年同期比で261.7%増加した。売上高だけでなく収益性も改善し、粗利益率は25.3%となった。会社が事前に示していた20~22%という目標を大きく上回った。

さらに同社は第3四半期(7~9月)について、売上高が前四半期比2~4%増、粗利益率が26~28%になるとの見通しを示した。売上高と利益率がともに上向く見通しとなり、半導体受託製造市場の回復基調が一段と鮮明になっている。

今回の業績で特に注目されるのが、「数量」と「価格」の双方が伸びている点だ。

第2四半期の工場稼働率は93.7%に達した。12インチ(300mm)ウエハーの売上高比率も上昇し、平均販売価格(ASP)の押し上げにつながった。AI関連需要の拡大を背景に半導体需要が増加するなか、生産能力の拡大だけでなく、技術力や製品構成の改善によって収益性を高める局面に入ったとみられる。

これまで半導体受託製造は、いかに多くの生産能力を確保するかが競争力を左右してきた。しかし現在は、「生産能力+技術力」の両輪が重要になりつつある。

AI向け半導体需要の拡大も追い風となっている。AI関連の需要が半導体産業全体へ波及するなか、中国国内でもAI向けコンピューティング基盤の整備が進み、先端・成熟プロセスを含む国内半導体の生産需要が拡大している。

また、先端プロセスを手掛ける子会社の利益が伸びていることも、国産AI向け半導体の量産が進んでいることを示す材料となっている。

中芯国際の業績改善は、半導体製造装置や材料メーカーにも波及する可能性がある。半導体メーカーが設備投資を高水準で維持すれば、製造装置や関連材料への需要も増えるためだ。特に中国国内では半導体サプライチェーンの国産化が進んでおり、設備メーカーにとっても中長期的な成長機会となっている。

中国の半導体産業では、中芯国際に加え、メモリー半導体大手の長鑫存儲(CXMT)なども生産能力の拡大を進めている。大手半導体メーカーによる相次ぐ増産投資が、製造装置・材料分野の需要を押し上げる構図が強まりそうだ。

今回の中芯国際の決算は、単なる生産能力の拡大にとどまらず、AI需要を背景に半導体の「数量・価格・収益性」がそろって改善し始めていることを示すものとなった。中国の半導体産業が設備投資主導の成長から、技術力と収益力を伴う成長へ移行できるかが、今後の焦点となる。

※1ドル=約160円で換算。

(中国経済新聞)