中国の自動車輸出、7月は8割超の急増 EVが海外展開を加速、月間100万台超が定着

2026/08/15 08:30

中国の自動車輸出が高い伸びを続けている。中国自動車工業協会(CAAM)によると、2026年7月の自動車輸出台数は104万3000台となり、前年同月比81.3%増加した。月間輸出台数は2カ月連続で100万台を突破。国内市場の需要が伸び悩むなか、自動車メーカー各社は海外市場への進出を加速させている。

1~7月の自動車輸出台数は614万台で、前年同期比66.8%増となった。7月の内訳を見ると、新エネルギー車(NEV)は55万3000台で前年同月比1.5倍、従来型の燃料車は49万台で40%増加した。

1~7月では、NEVの輸出が290万9000台で前年同期比1.2倍、燃料車は323万1000台で36.2%増。特に最近では、輸出に占めるNEVの割合が高まっており、7月はNEVが全体の半数以上を占めた。

中国自動車工業協会の陳士華副秘書長は、7月は中国国内の自動車市場が販売の閑散期に入り、前月比では季節的な減少が見られた一方、輸出が急速な伸びを維持し、国内需要の不足を補ったと説明している。

奇瑞、BYD、吉利が海外で相次ぎ過去最高。輸出拡大を背景に、中国メーカー各社も海外市場で販売記録を更新している。

奇瑞集団は7月に20万3000台を輸出し、前年同月比70.1%増となった。月間輸出台数は5カ月連続で過去最高を更新し、初めて20万台を突破。1~7月の累計輸出台数は114万6000台で、前年同期比71.2%増となった。

BYDも7月の海外販売が約18万台に達し、過去最高を更新した。ブラジルや英国など主要市場で好調を維持しており、海外向け製品ラインアップの拡充と現地運営体制の強化を進めている。

吉利汽車の7月海外輸出台数も10万7000台となり、単月で過去最高を記録した。このうちNEVは6万3000台で、前年同月比616%増。海外輸出に占めるNEVの割合は59%に達した。

吉利は南アジアや欧州での事業拡大にも力を入れている。パキスタンの輸入業者と正式契約を結び、同国での新エネルギー車市場への進出を加速。さらに米フォード・モーターとの提携では、スペイン・バレンシア工場で合弁会社を設立し、生産能力を共有しながら欧州市場向けのNEVを生産する計画を進めている。

中国の新興EVメーカーも海外進出を積極化している。

零跑汽車(Leapmotor)は1~7月の海外輸出・卸売台数が累計11万3000台を超え、中国の新興EVメーカーの中で輸出をリードしている。インドネシア市場にも進出し、現地企業Indomobilグループと提携してKD方式による現地組立生産を開始した。

同社の事業は現在、世界40カ国以上に広がり、販売拠点は2000カ所を超える。世界累計納車台数は150万台を突破している。

小鵬汽車(XPeng)もグローバル展開を加速している。新型SUV「MONA L03」の世界発売により、海外向け製品ラインアップをさらに拡充。スマートカー技術の開発と製品投入を進めながら、欧州市場への進出にも力を入れている。

同社によると、現在は第2世代の「小鵬図霊」VLA(視覚・言語・行動)技術について、欧州での量産適応を急いでいる。2027年以降、現地の道路環境に対応した高度な運転支援システムを世界のユーザーに段階的に提供する計画だ。

「量」から「技術・現地化」へ

中国の自動車輸出は、単純な台数拡大から、技術力やブランド力、現地生産・販売体制を含めた総合的な海外戦略へと変化しつつある。

中国自動車工業協会の付炳鋒副会長兼秘書長は、中国の自動車輸出について、輸出台数だけでなく技術力も継続的に向上しており、高級ブランドやNEVの比率も高まっていると指摘する。また、海外展開の方式も多様化し、国際市場での競争力が大きく向上しているとの見方を示している。

今後、中国メーカーに求められるのは、単に完成車を海外へ輸出するだけではない。現地生産、販売網の構築、アフターサービス、人材育成、さらには現地企業との合弁・提携などを組み合わせ、各市場に根付いた事業モデルを構築することが重要になる。

国内市場の成長が鈍化する一方、中国自動車メーカーにとって海外市場は新たな成長源となっている。とりわけNEVの輸出拡大は、中国の自動車産業が「世界の工場」から「世界市場を狙う自動車メーカー」へと転換する動きを象徴している。

(中国経済新聞)