小売り事業者の間で、低価格戦略を講じる動きが広まっている。イケアの中国法人副社長であるFrancois Brenti氏は投資について4月16日、これまで続けてきた価格面のほか、全チャネルの統合や改善などにスポットを当て、向こう3年間で63億元(約1345億円)をかけると発表した。一段と浸透させることが狙いという。
Brenti氏は、中国市場はグローバル的に重点地域の一つだと強調している。イケアは中国で現在、商品デザイン、テスト、生産、購買、保管・配達、小売り、ショッピングセンター、デジタル化などを手掛けている。
Brenti氏はまた、「低価格戦略はキャンペーンではなく長期的な策だ。サプライチェーンの効率化やAIの運用、スケールアップなどによるコストの抑制など、バランス面にも当然ながら気を配っている」と述べている。
小売業はここ数年、閉店が相次ぐなど、苦しい立場に置かれている。
これについてBrenti氏は、中国は潜在力があるのでこの先も期待できると見ている。「この次は西安、上海、深センで店舗を拡大する。通常のスタイルのものもあれば、サービスを中心とするなど新たなトライアルをする店も出す。今は消費者ニーズが変化しており、現場の小売業もこれに合わせて変えていき、商品だけでなくデザインサービスもする。一部の店ではソーシャル的な味わいもアピールしていく」とのことである。
イケア中国は今年2月、1億元(約21億円)以上の追加投資をすると発表した。2024年度全体で、ベッドルーム、リビングルーム、キッチンなど、多様で安価な商品を計500品目以上売り出すという。
(中国経済新聞)