上海発東京行き春秋航空日本便、急降下疑惑で物議、同社は「情報は事実ではない」と否定

2025/07/1 11:11

6月30日夜、上海浦東国際空港から東京成田国際空港に向かう春秋航空日本(Spring Japan)のIJ004便が、飛行中に機械的な故障を起こし、1万1,000メートル以上の高空から3,200メートルまで急降下したとの情報が中国のSNS上で拡散され、注目を集めている。春秋航空はこれに対し、「情報は事実ではない」と公式に否定した。

6月30日午後9時過ぎ、複数の中国ネットユーザーがWeiboなどのSNSで、IJ004便に搭乗中に異常事態を体験したと投稿した。投稿によると、同便は飛行中に突然「1万1,000メートルから3,200メートルまで急速に降下」し、乗客は「強い失重感と耳への圧迫感」を感じたという。さらに、「機械故障により酸素マスクが自動的に降りてきた」との報告もあり、公開された動画には座席上部の酸素マスクが展開されている様子が映っていた。

ある乗客はコメント欄で、「日本時間午後8時過ぎに大阪の関西国際空港に緊急着陸した」と述べた。フライト追跡アプリのレーダー情報によると、IJ004便は同日17時49分に上海浦東空港を定刻で離陸し、予定では現地時間21時47分に東京成田空港に到着する予定だった。しかし、18時53分頃、1万1,000メートル以上の高度を飛行中に、約10分間で3,200メートルまで急降下し、19時50分頃に着陸したと記録されている。

この騒動を受け、春秋航空は同日夜、公式Weiboアカウントを通じて声明を発表。「一部のネット投稿で、春秋航空の飛行機が故障し、3,000メートル急降下したと報じられているが、この情報は事実ではない」と強調した。同社は、春秋航空のフライトコードは「9C」で始まり、IJ004便は日本法人である春秋航空日本株式会社が運航する便であるため、春秋航空本体の運行とは別であると説明。春秋航空の全便は正常に運行されていると付け加えた。

一方、春秋航空日本からの公式コメントは、報道時点では発表されていない。メディアが春秋航空のコールセンターに問い合わせたところ、「春秋航空日本は独立した航空会社であり、詳細な情報はまだ受け取っていない。後ほど広報担当者が対応する」との回答だったが、記事執筆時点で追加の説明はなかった。

IJ004便は、機齢7.1年のボーイング737-800(WL)型機で運航されており、同機はボーイング737NGシリーズの双発ターボファン中短距離狭胴型旅客機である。公開情報によると、このシリーズは1997年7月に初飛行し、1998年4月に初納入された。

乗客の証言とレーダー記録による急降下の事実は一致しているが、降下の原因が機械的な故障によるものなのか、または他の要因によるものなのかは現時点で不明である。一部の報道では、航空会社が乗客に対し、大阪から東京までの交通費として1万5,000円と大阪での宿泊費を提供したとされているが、乗客の多くはこの対応に不満を示している。

日本国土交通省は、春秋航空日本に対し、事故報告書の提出を求めている。また、日本運輸安全委員会も調査に乗り出したと報じられている。春秋航空日本は、7月1日のIJ003/IJ004往復便をキャンセルし、乗客に対し無料の振替便(7月2日)または全額返金の対応を提示している。

(中国経済新聞)