第12回世界ゲームズが成都で開幕

2025/08/11 17:00

2025年8月7日午後8時、第12回世界ゲームズの開会式が成都・天府新区の屋外施設「天府之檐」で行われた。式典は終始スポーツの要素に満ち、青春の輝きが色濃く映し出された。成都世運会執行委員会の許興国副主席兼事務総長(成都市副市長)によれば、舞台裏のクリエイティブチームから出演者、そして競技の場に立つ若きアスリートまで、あらゆる場面で若者の創造力と活力が際立っていたという。

大会は8月7日から17日まで開催され、世界各地から約4000人のアスリートが成都に集結し、256種目で熱戦を繰り広げる。世界ゲームズはオリンピックに含まれない競技の最高峰とされ、五輪と相互補完の関係にある。今回の大会は2023年の成都ユニバーシアードに続き、中国西部で開かれる大型総合国際大会だ。参加者は112の国・地域から計6679人(うち選手3942人)にのぼり、史上最大規模となった。

競技は34競技・60分野・256種目にわたり、武術やドラゴンボート、ペタンクといった伝統競技から、アルティメット、パルクール、ドローンレースなどの新興種目まで幅広い。さらに、スポーツクライミング、フラッグフットボール、ソフトボール、ラクロス、スカッシュ、トランポリンなど、2028年ロサンゼルス五輪の正式競技も含まれている。中国代表団は321人(うち障害者選手10人)を派遣し、障害者選手の参加は初となる。

聖火リレーは7月26日に行われ、三星堆の古蜀文明、金沙遺跡の太陽神鳥、パンダの生息地、三国志ゆかりの地、「三蘇」文化、天府新区の興隆湖湿地公園などを巡った。6区間・計120人がトーチ「竹夢」をつなぎ、成都の千年の歴史と現代の躍動を結び付け、開会式で聖火点灯が行われた。

会場は全27か所で、既存施設を改修した18か所と、公園や湖畔に仮設した9か所を活用し、建設コストを抑えた。成都体育学院場館中心ではアルティメット(チーム)、ペタンク、ダイビング、ライフセービングの4競技を実施。数か月前に行われたワールドゲームズ巡回大会(成都大会)で導入されたLED照明や電力設備、音響システムが、そのまま本大会でも活用される。

8月10日の大会前記者会見では、国際世界ゲームズ協会の関係者が成都の準備状況を高く評価。規模、革新性、持続可能性の面で新たな基準を打ち立て、若く拡大し続ける観客層を引き付ける潜在力があると述べた。協会のトム・ディロン副会長は、多くの歴史的な「初」がある大会だと語り、都市中心部での聖火リレーは市民に直接スポーツ精神を届ける試みとして初めて実施されたと説明。また、全27会場を既存施設や改修施設でまかなう持続可能な運営や、2つの選手村による世界水準のサービスも強調した。さらに、史上最大規模の放送計画に加え、大会専用のストリーミングサービスも初めて導入され、試合のライブ配信やオンデマンド視聴が可能になっている。

(中国経済新聞)