ポケモンを巡る問題が、中国国内で大きな波紋を広げている。靖国神社に関連するイベント情報が公式サイトに掲載されたことを受け、ユニクロや中国スポーツブランドの李寧(リーニン)などが、ポケモンとのコラボ商品を相次いで下架した。

2026年はポケモンシリーズ誕生30周年にあたり、これまで多くのブランドが記念コラボ商品を展開してきた。しかし今回、ポケモンが歴史や文化に関わる「越えてはならない一線」に触れたと受け止められ、中国の主要電子商取引(EC)プラットフォームでは、ユニクロおよび李寧の公式旗艦店からポケモン関連商品が姿を消した。
報道によると、ユニクロではポケモンとコラボしたUTシリーズや、カスタムTシャツ「UTme!」、キャンバスバッグに使用されていたポケモン専用デザインなどがすでに販売終了となっている。李寧の公式旗艦店のカスタマーサービス担当者も、「現在、該当商品は販売していない。下架の具体的な理由については把握していないが、要望があれば社内に報告することは可能」と説明している。
広州市内のユニクロ店舗のスタッフは、「ポケモンを巡る問題が発生した後、ここ2日ほどですべてのポケモン関連商品が店頭から下げられた。今後、再び販売されるかどうかは未定だ」と話した。李寧についても、複数の実店舗スタッフが「現在、ポケモンとのコラボ商品は取り扱っていない」と明らかにした。

ポケモン側は1月30日、公式サイトに中国語と日本語による謝罪声明を掲載した。声明によると、同社が運営する「ポケモンカードトレーナーズウェブサイト」のイベントページにおいて、靖国神社を開催地とするイベント情報が誤って掲載されていたという。
同サイトは、ポケモンカードの公式認定資格を持つ個人が主催するイベント情報を登録できる仕組みとなっている。問題となったイベントは、本来掲載されるべきではなかったが、確認作業の不備により誤って公開されたと説明した。ポケモン側は、問題を把握後すぐに関連情報を削除し、当該イベントも中止したとしている。
声明では、「本件について多方面からご意見をいただき、深くお詫び申し上げる」と謝罪するとともに、今後はイベント情報の審査体制と確認プロセスを抜本的に見直し、再発防止に努めると強調した。また、「『ポケモンが世界をつなぐ』という理念のもと、すべての人が安心して楽しめる体験を提供できるよう、運営体制の改善を続けていく」としている。
一方で、一部メディアは、ポケモンが靖国神社を巡って問題視されたのは今回が初めてではないと指摘する。2016年には、ゲーム内の対戦拠点である「ジム」やアイテム補給地点が靖国神社内に設置され、プレイヤーが事実上立ち寄らざるを得ない状況となっていた。さらに2019年には、ポケモンの株主の一社であるクリーチャーズ社の社員が靖国神社を参拝し、その様子を交流サイト(SNS)に投稿。強い批判を受けて投稿は削除されたものの、明確な謝罪は行われなかったとされる。
こうした経緯もあり、中国の消費者の間では不信感が強まっている。消費者の高氏は、「中国はポケモンにとって極めて重要な市場だ。長い歴史を持つ有名IPで、主な購買層はすでに高い消費力を持つ若者世代だが、歴史や政治的背景への配慮を欠いた姿勢は受け入れられない」と語る。
また、別の消費者である陳氏は、「今回の一連の対応には非常に失望している。謝罪声明は出されたが、過去にも同様の問題が繰り返されてきた以上、今後はポケモン関連のコラボ商品を購入するつもりはない。今回の件で、完全に選択肢から外した」と話した。
中国市場で広がる反発が、今後のポケモンのブランド戦略や企業姿勢にどのような影響を与えるのか、引き続き注視される。
(中国経済新聞)
