中国国家移民管理局が発表した最新統計によると、2025年の全国出入境者数は延べ6億9700万人に達し、過去最高を更新した。中国と世界との人的交流が、量・質ともに一段と活発化していることを示す結果といえる。
内訳では、中国本土(大陸)住民の出入境が3億3500万人で前年比15.1%増、香港・マカオ・台湾地区の住民は2億7900万人で同10.1%増となった。外国人の入出境者数は8203万5000人に上り、前年比26.4%増と高い伸びを記録した。
中でも注目されるのが、査証(ビザ)免除で入国した外国人が3008万人に達し、外国人入国者全体の73.1%を占めた点だ。前年比では49.5%増と大幅に増加しており、ビザ免除措置が中外往来の円滑化を力強く後押ししていることがうかがえる。

2025年の出入境者数の大幅増は偶然ではない。背景には、出入境手続きの簡素化・利便性向上を軸とした政策の継続的な拡充がある。この年、中国はビザ政策において一連の効果的な施策を打ち出し、一方的なビザ免除の対象国は48か国、相互ビザ免除国は29か国に拡大した。また、中国に対して一方的にビザ免除を実施する国・地域も28に増加した。
さらに、240時間(10日間)の通過滞在ビザ免除制度は、適用される出入境口岸が65か所に拡大され、人的往来のハードルを大きく引き下げている。
出入境者数の増加は、人の移動にとどまらず、「中国旅行」「中国での消費」ブームを後押しし、経済・文化交流の活性化にも直結している。
韓国の交流サイト(SNS)では「金曜日の仕事終わりに中国へ行く」という表現が流行語となり、中国旅行の手軽さと魅力を象徴している。東南アジアからは、チャーター便で中国東北部の雪と氷の観光地を訪れる団体旅行が人気を集め、欧州からの観光客は雲岡石窟や青島ビール博物館など、中国各地の特色ある文化施設を訪れている。各地の観光地では、予約件数や観光収入の増加が相次いで報告されている。
受け入れ環境の整備も進んでいる。上海・外灘や南京・夫子廟といった主要観光地では多言語表示が全面的に整備され、広州の主要出入境口岸では専門の通訳担当者が配置されるなど、きめ細かく国際化を意識した対応が取られている。
また、出入境手続きの高度化・自動化も大きく前進した。深圳湾や拱北口岸で先行導入された顔認証による自動通関は、現在、上海虹橋空港や厦門高崎空港など14の主要口岸に拡大。1日平均27万6000人がこの仕組みを利用し、1人当たりの通関時間は約10秒まで短縮された。先端技術の活用が、出入境の利便性を大きく高めている。
人の円滑な越境移動は、物流、資金、情報の流れを同時に活性化させ、観光、消費、サービス業など幅広い分野に新たな成長機会をもたらす。
中国の開放拡大は、統計数字にとどまらず、人々の暮らしや実体経済の中で確かな手応えとして表れ始めている。
(中国経済新聞)
