中国、「宇宙+」未来産業の展開を加速――商業宇宙を軸に、デジタル基盤から宇宙観光まで視野に

2026/02/2 08:30

中国は今後、「宇宙(太空)+」をキーワードとする未来産業の育成を本格的に進める方針だ。中国航天科技集団は、国内の商業宇宙機および関連応用産業チェーンを率いる中核企業として、「第15次五カ年計画(十五五)」期間中、商業宇宙を国家戦略の重要分野に位置づけ、産業全体の高度化を主導していく。

同集団は、中央企業としての戦略的先導力と産業エコシステム構築の役割を発揮し、産業チェーンの上流・中流・下流に位置する企業と連携しながら、新たな成長分野の開拓と技術・能力の強化を進める。具体的には、五つの重点プロジェクトを実施し、その中でも「未来産業育成プロジェクト」を柱として、宇宙デジタル・インテリジェント基盤、宇宙資源開発、宇宙交通管理、宇宙観光といった新分野の発展を構想している。

宇宙デジタル・インテリジェント基盤の分野では、ギガワット級の宇宙情報処理基盤の構築を目指す。クラウド、エッジ、端末を一体化した新たな宇宙システム構造を形成し、計算能力、記憶能力、輸送能力を高度に融合させることで、「宇宙データを宇宙で処理」「地上データを宇宙で処理」「地上と宇宙が一体となったデータ処理」の実現を図る。

宇宙資源開発については、「天工開物」と名付けられた重点プロジェクトの検討を進め、宇宙資源開発に関する総合実験システムと地上支援システムを整備する計画だ。小惑星資源の探査、知能化・自律化された採掘技術、低コスト輸送、軌道上での資源処理など、基幹技術の突破を重点課題とする。

宇宙交通管理の分野では、宇宙デブリ(宇宙ごみ)の監視、予測、除去に関する重要技術の研究開発を進める。これにより、宇宙交通管理に関する国際ルールづくりで主導権を確保するとともに、宇宙インフラの安全で安定した運用を支える体制を整える。

また、宇宙観光については、準軌道および軌道宇宙観光用の宇宙機開発を加速し、無人および有人による飛行実証を段階的に実施する。運営体制を整備した上で、準軌道宇宙観光の定期運航を実現し、将来的には軌道宇宙観光へと発展させる構想を描いている。

こうした方針は、「産業チェーンの結束を強め、宇宙強国を共に築く」をテーマに開催された「商業宇宙機および応用産業チェーン連携行動大会」で示された。同大会は、国務院国有資産監督管理委員会と国家航天局の指導のもと、中国航天科技集団と中国宇航学会が共同で主催した。

会場には、国の関係機関、中央企業、天津市・上海市・海南省などの地方政府、研究機関、大学、商業宇宙企業、金融機関、業界団体などから400人以上が参加した。

中国は商業宇宙を新たな成長エンジンの一つと位置づけ、「宇宙+」未来産業を通じて、宇宙開発と産業競争力の同時強化を図る姿勢を鮮明にしている。

(中国経済新聞)