中国東北大学の6人の学生が、内蒙古自治区にある中国黄金集団内蒙古鉱業有限公司のウヌグトゥ銅モリブデン鉱選鉱工場で悲惨な事故に巻き込まれた。7月23日午前10時20分頃、浮選工程の見学中に格子板が脱落し、学生6人が浮選槽に転落。懸命な救助活動が行われたが、救出された6人は医療スタッフにより死亡が確認された。また、引率していた教師一人も負傷した。この事故は中国国内外で大きな衝撃を与え、鉱山の安全管理に対する議論を再燃させている。

事故は、学生たちが浮選工程を学ぶために同工場を訪れていた際に発生した。浮選槽は、鉱石を粉砕して水と混ぜた鉱石スラリーに起泡剤や捕収剤を加え、鉱物を分離する工程で使用される設備である。この槽は通常、濃厚な鉱石スラリーと化学薬剤を含み、転落した場合には高密度で粘性の高い液体により身動きが取れなくなる危険性がある。関係者によると、学生たちが立っていた金属製の格子板が突然脱落し、6人全員が約3メートルの深さの浮選槽に落下した。槽内の鉱石スラリーは腐食性の化学物質を含んでおり、転落者は鉱石スラリーの粘性、化学的毒性、機械的損傷による三重の危険にさらされたとされる。

東北大学の鉱物加工工学専攻3年生だった被害者たちは、毎年恒例のインターンシップの一環としてこの工場を訪れていた。同大学の学生によると、こうした見学は2~4年次に計4回実施される慣例で、通常は安全が確保されているとされていた。しかし、今回の事故で浮選槽上の格子板が「重度の錆びによる断裂」で脱落した可能性が指摘されており、設備の老朽化やメンテナンス不足が問題視されている。
事故後、中金黄金の証券部スタッフは記者に対し、「当該鉱場は現在操業を停止しており、善後処理に全力を尽くしている。復旧時期については、主管部門の通知を待つ必要がある」と述べた。また、地元政府、東北大学、中国黄金集団は共同で善後処理を進めており、事故原因の調査も進行中である。フルンボイル市政府の担当者は、事故発生直後に報告を受け、調査チームを設置したと明らかにした。
(中国経済新聞)