国家発展改革委員会の王昌林副主任は7月23日、国務院新聞弁公室の記者会見で、政府の認可により2025年12月18日から海南島全体を自由貿易港として独立運営すると発表した。
この日の記者会見では、国家発展改革委員会、財政省、商務省、税関総署など政府各部門が、独立運営後の貿易港としての長期的な整備実施策を定め、ハイレベルな自由貿易港にふさわしい政策や制度を常に整えていく方針が示された。この中で、「関税ゼロ」対象の商品をさらに拡大し、新たな市場参入の緩和策や多機能な自由貿易口座体系を設けるなどの措置が打ち出されている。
海南島は、2020年6月に中国共産党中央と国務院より「自由貿易港整備全体案」が発表されてから5年余りが経過し、体制もほぼ整って島全体を独立運営する新たな段階を迎えようとしている。

「型」とは、海南島を自由貿易港とする体制がほぼ出来上がったことを意味し、王副主任は特徴として「4、3、2、1」といった数字を挙げている。具体的には、「4」とはヒト・モノ・カネ・データの4つの流れにより輸出入が一段と便利になったこと、「3」とは貨物の貿易、サービスの貿易、投資のさらなる開放であり、「2」は企業・個人ともに税制優遇策を引き続き拡大すること、そして「1」とは今回の新たなルールをベースにして法体系を常に整備していくことを示している。
また「勢い」とは、この5年間における準備活動の成果や成長具合を示す。開放策も一段と進んで外貨の利用実績額は1025億元、年平均14.6%の割合で増えているほか、貨物貿易は年平均31.3%、サービス貿易は同じく32.3%の割合で伸びている。また海外からの海南省への投資は176の国や地域に及び、経済全体の中で輸出の割合が35%となった。また産業構造の整備も進み、成長環境も整って、市民の実感も一段と高まっている。
王副主任は、独立運営に向けた現在の具体的な準備活動について、「独立運営とは海南島全体を特別な税関区域とし、『一線開放』、『二線管理』、『島内自由』を基本線とした、自由で便利な政策や制度を実施する」と説明した。
この中で、「一線開放」とは、島と他の国や地域との間を「一線」として一連の自由で便利な貿易措置を実施することで、「二線管理」とは、島と中国本土との間を「二線」として「一線開放」を正確に管理することを指す。さらに「島内自由」とは、島内では様々な要素の流通が比較的自由だということである。
このほかさらに、貨物の「関税ゼロ」政策を実施する。「一線」で全輸入品のうち「関税免除品」の占める割合を今の21%から74%に引き上げ、島内での取引では関税を免除とし、輸入品の加工で製品価値の30%以上が海南島で付加される場合は本土販売時に関税免除とする。
また、貿易管理も一段と緩やかなものとする。「一線」における輸入については、現在中国で輸入が禁止・規制の対象となっているものを部分的に対象外とする。
さらに、流通も一段とスムーズになる。既存の貿易港8か所を「一線港」とし、条件を満たした貨物の輸入を認めるほか、海口新海港、海口南港など10か所の「二線港」を設け、本土向けの貨物について様々な搬送の簡素化措置が講じられる。
(中国経済新聞)