中国の家電市場調査会社・洛図科技(AVC)は7月25日、2025年上半期における中国本土のテレビ市場に関する最新データを発表した。それによると、同期間のテレビブランド全体の出荷台数は1662万5千台で、前年同期比1.4%の小幅な増加となった。
ブランド別に見ると、市場の集中度は一層高まっている。上位8ブランドの合計出荷台数は1591万台となり、シェアは全体の95.7%に達した。TCL(ティーシーエル)、海信(ハイセンス)、小米(シャオミー)の3社は、それぞれ20%を超えるシェアを獲得し、いずれも前年同期比で成長を記録。トップ3として市場をけん引する存在感を強めている。
一方で、従来型の中国国内ブランドは明暗が分かれた。長虹(チャンホン)、海爾(ハイアール)、康佳(コンカ)の3社を合わせた出荷台数は207万台となり、前年比で8.1%の減少を示した。また、華為(ファーウェイ)の出荷台数は50万台未満と振るわなかったが、利益率の改善により採算面では健闘しているという。
海外ブランドは引き続き苦戦している。サムスンやソニーなど主要4ブランドを合わせた出荷台数は50万台にとどまり、前年比で12.3%の減少。市場シェアも5%未満に落ち込み、中国市場での存在感は年々希薄になっている。
下半期の見通しについては、政府による補助金政策の縮小、販売の閑散期入り、さらに前年の高水準が比較基準となることなどが重なり、出荷台数は1925万台と予測され、前年比1.6%の減少となる見通しだ。
2025年通年では、総出荷台数が3588万台となると予測されており、前年に比べてわずか0.2%の減少が見込まれている。また、小売ベースでの販売台数も前年比1.1%の減少となる見通しであり、市場全体としては引き続き横ばいの推移が続くとみられる。
(中国経済新聞)