娃哈哈集団、宗馥莉が全役職を退任、31歳の許思敏が新会長に就任、創業家時代に完全に幕

2025/11/27 22:10

中国飲料業界の老舗・杭州娃哈哈集団で、創業家からプロ経営者への完全移行が完了した。 

国家企業信用情報公示システム(企査査)によると、11月下旬に同社の法定代表人、董事長、総経理が宗慶後創業者長女の宗馥莉(42)から許思敏(31)に交代。主要役員も大幅刷新された。

宗馥莉は2024年2月に父・宗慶後氏急逝に伴いトップに就任したが、わずか1年9カ月で全ての役職を退いた。 

今年9月12日にはすでに辞任申請を提出していたことが10月に報じられており、11月18日の「2025年販売工作会议」では宗馥莉の姿はなく、許思敏が代表して登壇していた。 

関係者によると、現在は宗馥莉が実質支配する宏勝飲料集団(娃哈哈の主要生産受託先)に軸足を移しており、娃哈哈本体の経営からは完全に離れた形だ。

新たに董事長兼総経理に就任した許思敏は1994年生まれ、浙江大学法学部卒。2015年に中西快餐ブランド「原牛道」を起業するも失敗し、宏勝集団法務部に入社。 

娃哈哈とダノン(フランス)の長年にわたる商標権争いなど難事件を担当し、法務部長まで昇進。 

2024年8月に宗馥莉が正式にトップに就任したタイミングで娃哈哈集団監事に抜擢され、関連会社の法定代表人・総経理も兼任。わずか1年余りでグループの実質ナンバー2からナンバー1へと大抜擢された。

11月18日の販売会議では、  「この1年は市場環境が極めて複雑だったが、娃哈哈は過去10年で最高水準の業績を維持し、安定成長を実現した」 と堂々と語り、宗馥莉不在の場で完全に主役の座に就いた。

創業家である宗一族は経営の表舞台から完全に姿を消し、娃哈哈はついに「プロ経営体制」へと完全移行した。

売上高500億元(約1兆円)を超える中国飲料業界の巨人を、31歳の法務出身若手が率いる新時代が始まった。 

(中国経済新聞)