2026年1月2日(現地時間)、米経済ニュースチャンネルCNBCは、米電気自動車(EV)大手テスラが発表した2025年通年の販売実績を報じた。それによると、テスラは中国の自動車メーカー比亜迪(BYD)に初めて販売台数で抜かれ、世界最大のEV販売企業の座を明け渡した。
テスラの発表によれば、2025年の世界全体での車両引き渡し台数は163万6,000台で、前年比約8.6%減少した。販売台数の減少は2年連続で、減少率は過去最大規模となった。
一方、BYDが1月1日に公表したデータでは、2025年の総販売台数は460万台に達し、前年比7.7%増加。そのうち、純電気自動車(BEV)は225万台で、前年比28%の大幅増となった。

この結果、純電気自動車の年間販売台数において、BYDはテスラを大きく上回り、BYDの販売台数はテスラの約1.4倍に達した。中国メーカーの急速な台頭を象徴する、歴史的な転換点といえる。
象徴的なのは、2011年10月の出来事だ。当時、テスラの最高経営責任者(CEO)であるイーロン・マスク氏は、ブルームバーグTVのインタビューでBYDについて「競争相手ではない」「製品が優れているとは思わない」と笑いながら語っていた。しかし、それから14年後の現在、BYDは価格競争力の高さ、幅広い車種展開、さらにはブレードバッテリーやDM-iハイブリッド技術といった技術革新を武器に、テスラを追い抜いた。
市場関係者が指摘するBYDの主な強みは次の通りだ。
第一に、多様な価格帯と車種のラインアップである。低価格モデルから高級車まで幅広く展開し、とりわけ新興国市場や欧州市場でシェアを急速に拡大している。
第二に、海外販売の急増だ。2025年には海外販売台数が初めて100万台を突破し、前年比で150%を超える成長を記録した。
第三に、技術基盤の強化である。BYDは2026年に新型モデルや次世代プラットフォームの投入を予定しており、競争力はさらに高まるとみられている。
一方のテスラは、車種構成の陳腐化に加え、米国でのEV購入に対する税額控除の終了(2025年9月末)、さらにマスク氏の政治的発言が影響したとされる欧州でのブランドイメージ低下などが重なり、販売不振に陥っている。

多くのアナリストは、BYDの2026年の総販売台数が530万台に達する可能性があると指摘しており、テスラとの差はさらに広がると予測する。ドイツ銀行の分析でも、「BYDは新製品の投入と技術プラットフォームの進化によって、テスラに対する優位性を一段と拡大する」との見通しが示されている。
2025年は、中国EVメーカーが世界の自動車産業における主導権を握り始めた象徴的な年となった。かつてマスク氏に「笑いもの」と評されたBYDは、いまや世界最大のEV販売企業として君臨している。2026年以降、EV市場ではさらに激しい競争が予想され、業界の勢力図は大きく塗り替えられていくことになりそうだ。
(中国経済新聞)
