「踊る人は恋愛の話はしない。生活のこと、自由のこと、無憂のこと、心身の健康のこと、自分を大切にしてくれる人のことだけ!」
2026年1月3日朝7時42分、微信グループ「紅玫瑰K歌歌舞群」に67歳の劉陽さんがその日の最初のメッセージを送った。この477人規模のグループでは、毎日近千件のメッセージが流れ続ける。朝の挨拶から深夜の「おやすみ」まで、ダンスのステップの議論、AA制での食事会、オフラインカラオケの予定調整、二十四節気の養生法や人生哲学の共有まで、会話は尽きることがない。
しかし、デジタル空間の賑わいだけでは埋められない渇きがある。だからこそ、一部の人々はもっと直接的で親密な場所――舞庁(ダンスホール)を選ぶ。高齢者にとって、ここは単なる娯楽の場ではなく、知人ネットワーク、感情のつながり、暗黙のルールが織りなす「第二の家族」なのだ。
午後1時半、武漢の「四姐舞庁」が照明を点ける。常連たちはこの場所を密かに「緑洲舞庁」と呼ぶ。皆が盛装して訪れ、高いヒールを履いた足音が音楽に合わせて床を叩く。空気には香水、汗、昔ながらの木の床の匂いが混じる。

四姐舞庁は厳格な「三場制」を採用している。朝8時半、午後1時半、夜7時半の各2時間、1回10元。午後2時になると、午間場のディスコ音楽が鳴り響く。「快楽家族」「夕陽正紅」「青春不老」……それぞれの微信グループ名が書かれた旗が舞い上がり、踊り手たちはそれを見て互いを認識する。頭を振り、回転し、銀髪が旗と一緒に揺れる。平均年齢70歳近いとは思えないほど、全員がリズムに没頭している。
舞池の隅には保温瓶や野菜の入った編み袋が積まれ、現実の生活とのつながりを示している。一方、舞池の中央こそが、彼らが自分自身のために確保した「黄昏の舞台」なのだ。
中国民政部全国老齢弁公室が発表した『2024年度国家老齢事業発展統計公報』によると、2024年末時点で中国の60歳以上人口は総人口の22%を占め、一部の中小都市や資源型地域では25%を超えている。老齢化はもはや構造的なトレンドではなく、差し迫った社会現実となっている。
しかし、その賑わいの裏側に潜む孤独が深刻だ。中国科学院心理研究所の『中国老年人心理健康報告(2021)』では、中国の高齢者の23.76%が孤独感を抱いており、農村部では28.5%に達する。中国老齢科学研究中心と民政部の複数調査でも、高齢者の家族構造が急速に変化していることが明らかになった。
配偶者の死別率の上昇、空巢家庭(子供と別居)の常態化、子女の他地域への就職拡大により、「誰かに伴われる晩年」はかつての当たり前から、ますます不確かなものへと変わりつつある。特に都市部でこの変化は顕著だ。北京大学の中国家庭追跡調査(CFPS)関連研究では、都市部高齢者の多くが「子女が同都市にいない」状態にあると指摘されている。
家族機能の後退は、単に「伴侶がいない」ことだけではない。日常の世話、感情的なフィードバック、社会的役割までもが同時に失われていく。
こうした背景の中で、舞庁は高齢者にとってかけがえのない「感情の王国」となっている。
ここでは年齢や経済力、過去の栄光は関係ない。音楽が流れれば誰もが平等に「踊り手」となり、互いの存在を認め合い、拍手し、笑い合う。
「ここに来ると、生きている実感がする」「家に帰っても誰も待っていないけど、ここには仲間がいる」――常連たちの言葉は、どれも静かだが強い。
デジタル空間では語りきれなかった本当の渇きを、舞庁の床が、音楽が、汗と笑顔が埋めてくれる。
中国の高齢化社会は、数字だけでは語れない深い孤独を抱えている。その孤独を、今日も小さな舞庁の灯りが優しく照らし続けている。
(中国経済新聞)
