1月3日未明、アメリカ軍がベネズエラ首都カラカスに大規模な軍事作戦を実施。ニコラス・マドゥロ大統領と妻シリア・フロレスを拘束し、ニューヨークへ移送したという衝撃的事件が発生した。トランプ大統領はこれを「麻薬テロリズム関連の法執行行動」と位置づけつつ、「適切な政権移行まで米国がベネズエラを運営する」と公言。実質的な「接管」宣言となり、同国の投資環境は一夜にして激変した。
この劇的な「政変」は、現地で長年事業を展開してきた華人コミュニティに深刻な打撃を与えている。データによると、ベネズエラ在住の華人は約40万人規模とされ、その90%以上が広東省(特に開平・恩平地域)出身だ。彼らの多くは飲食店、スーパーマーケット、貿易業、小売業などで生計を立て、現地経済に深く根付いてきた。しかし今、軍事衝突の余波で治安悪化、電力・物流の混乱、国際便の全面停止が発生。物資の買い占めや価格高騰も相次ぎ、事業継続が極めて困難な状況に追い込まれている。
十数年前、ウゴ・チャベス政権下のベネズエラは、世界最大級の石油埋蔵量を背景に高い社会福祉水準を誇り、消費市場も活況を呈していた。中国との関係も極めて良好で、多くの広東系商人は「南米進出の絶好の機会」「石油関連ビジネスで大儲けできる」と考え、現地へ大挙して進出した。
当時渡航した人々は、貿易業を営む者、工場を設立する者、不動産投資に乗り出す者など多岐にわたった。巨大な市場ポテンシャルと資源ブームに魅了され、「この波に乗れば一発逆転」と巨額の資金を投じた。しかし、彼らは表面上の繁栄の下に潜む構造的リスク――政治的不安定、為替・資本規制の厳格化、治安悪化、国際制裁の激化――を十分に予見できなかった。
今となっては「一刻も早く撤資して帰国したい」と思っても、現実は極めて厳しい。資金の海外送金は政府による厳しい審査が伴い、正規ルートでの移転はほぼ不可能。非公式ルート(闇送金など)に頼れば、巨額の手数料に加え、摘発されれば厳罰のリスクが伴う。
結果として「本人だけは帰国できたが、資産・事業は現地に置き去り」という悲惨なケースが続出している。今回の軍事介入・政権移行の混乱で、空港閉鎖や銀行機能の麻痺が加わり、撤退のハードルはさらに跳ね上がった。20万人規模とも言われる広東系事業主・富裕層が、まさにこの苦境に直面している。
(中国経済新聞)
