インド、5年ぶりに中国人観光ビザの申請受け付けを再開

2025/07/24 15:30

7月23日、インド駐中国大使館は公式通知を発表し、2024年7月24日より中国国民に対する観光ビザの申請受け付けを再開することを明らかにした。これは新型コロナウイルスの流行や中印国境を巡る緊張などの影響で2020年に停止されて以来、約5年ぶりの措置である。

同日、中国外交部の報道官・郭嘉昆氏は定例記者会見でこの動きに言及し、「中方はインド側の前向きな措置に注目している。人的往来の円滑化を推進することは双方の共通利益にかなうものである。中国としても今後、インド側と意思疎通と協議を保ち、両国民の往来の利便性向上に努めていきたい」とコメントした。

インド大使館が発表したビザ申請の要項によると、中国国民が観光目的でインドを訪れるには、まずオンライン上で申請書を記入・予約し、パスポートや必要書類を持参のうえ、所定のインドビザ申請センターにて提出する必要がある。

観光ビザは主に観光・娯楽・親族訪問・短期ヨガコース・短期医療受診などを目的とした渡航者に発給される。インド側は申請者に対し、10万元(約200万円)以上の残高が記載された過去6ヶ月間の銀行取引明細、または同等額の銀行保証書の提出を義務づけているほか、往復航空券の写しなども必要とされている。

今回の措置は、中印関係の改善を象徴する一歩とみられており、両国の観光・文化交流の再活性化が期待される。新型コロナ以降、インドは複数国に対して段階的にビザ発給を再開していたが、中国に対する観光ビザの開放は、最後まで保留されていた分、注目度が高い。

なお、ビザ申請にあたっては各地域のインドビザ申請センターの管轄区域に従って手続きを行う必要があるため、事前に大使館の公式ウェブサイト等で詳細を確認することが推奨されている。

(中国経済新聞)