【東京、2025年7月23日】RNA液体生検分野の先駆者であり、香港上場企業であるシンガポールのMiRXES(觅瑞/ミルクセス、証券コード:2629 HK)は、東京・鳩山会館で開催された記者会見において、日本のバイオ医薬品企業であるNAGAWA薬品株式会社との戦略的パートナーシップ締結を発表しました。

この会見には、日本の第93代内閣総理大臣・鳩山由紀夫氏も公益発起人として出席し、がんの早期発見と予防に向けた国際的連携の重要性を訴えました。今回の連携は、「技術 × 産業 × 公益」の三位一体でがん予防に取り組む、アジアにおける新たなモデル構築を目指すものです。

ミレックサスホールディングスの最高責任者CEOである周砺寒氏(左)、第93代内閣総理大臣・鳩山由紀夫氏(右)
プロジェクト概要:GASTROClear™を用いた日本初の「1万人胃がんスクリーニング」
今回の共同プロジェクトでは、非侵襲的かつ短時間で検査可能なmiRNA血液検査「GASTROClear™」を用いて、日本全国で1万人規模の無料胃がんスクリーニングを実施します。高齢者やピロリ菌感染歴のある高リスク層を中心に展開される予定で、医療現場の負担軽減や検診率の向上が期待されています。

日本は世界有数の胃がん多発国であり、毎年約12万人が新たに罹患しています。政府は1983年から胃がん検診を国民的健康施策として推進してきましたが、内視鏡検査の身体的負担や時間的制約により、近年の受診率は男性で約45.7%、女性で36.5%にとどまっています。
Mirxesの「GASTROClear™」は、血液で早期の胃がんリスクを可視化する、世界初のmiRNAベースの胃がん検査キットであり、すでにシンガポールや欧州で承認を取得しています。中国でも約9,500人規模の臨床試験を完了し、現在承認申請中です。

鳩山由紀夫元内閣総理大臣のコメント
鳩山氏は次のように述べました:「このスクリーニング活動は、特に高齢者の健康寿命を延ばし、医療費の削減にもつながる非常に意義深い取り組みです。日本国内にとどまらず、他国への展開も視野に入れていきたいと考えています。」
Mirxesの戦略と日本市場における技術本土化
MirxesはNAGAWA薬品との協力により、「GASTROClear™」および肺がん用製品「LUNGClear™」の日本国内での製造・適用・販売体制の構築を加速させると発表しました。

ナガワ薬品株式会社常務取締役大段 正司氏(左)、MiRXES Japanの日本法人代表取締役であるLi-Foong YOONG氏(ユン リフン 医学博士)(右)
NAGAWA薬品は、PCR検査やNIPT(非侵襲的出生前診断)などの製造経験を活かし、Mirxes製品の「日本品質」への適合を担います。今後、両社は非侵襲的で拡張可能な高精度がんスクリーニングのエコシステム構築を日本国内で進めていく方針です。
Mirxes Japanの日本法人代表取締役であるLi-Foong YOONG氏(ユン リフン)は、次のように述べました:「NAGAWAとの連携により、“技術 × 日本品質”の融合が実現し、日本におけるがん対策の新たな基盤を築いていきます。」
MiRXESの共同創業者であり、執行役員を務める鄒瑞阳(スウ・ルイヤン)博士は、本紙の取材に対し、同社が開発した胃がんスクリーニング製品「GASTROClear™」の独自の特徴について紹介しました。

MiRXES(覓瑞)について
2014年に設立されたシンガポール発のRNAバイオテクノロジー企業。主力製品「GASTROClear™」は、世界初のmiRNAベースの胃がん分子診断検査で、シンガポールと欧州で承認を取得済み。米国ではFDAのブレークスルーデバイス指定を受けており、肺がん・結直腸がん・肝がん・乳がん向けの製品開発も進行中。2025年5月に香港証券取引所に上場し、初日に時価総額が10億ドルを突破。
NAGAWA薬品株式会社について
日本の革新的な医薬品メーカーで、第一類・第二類医薬品の製造認可を取得。がんスクリーニング、NIPT、老化診断などの先端診断製品を展開。JETRO(日本貿易振興機構)の支援を受け、Mirxes技術の日本国内での技術移転と製造体制整備を完了。医療の地域格差解消を企業理念に掲げ、先端技術の社会実装に取り組んでいる。

今後、両社の協業によって生まれる「科学 × 社会貢献」の好循環が、日本、さらにはアジア全体のがん予防体制の進化に大きく寄与することが期待されています。
(中国経済新聞)