6月27日正午頃、招商工業集団が江蘇省南通市海門基地で建造した9,200台積載可能な自動車運搬船「BYD CHANGSHA」号が正式に引き渡された。本船はBYD有限公司が発注した同シリーズの第1船であり、南通で引き渡された初の自動車専用運搬船となる。
「BYD CHANGSHA」号は、全長219.9メートル、幅37.7メートル、設計喫水9.2メートルという堂々たるサイズを誇り、自動車、バス、BEV(バッテリー式電気自動車)、トラック、フォークリフトなどを最大9,200台輸送する能力を持つ。船内の積載面積は約77,500㎡にも及び、広大な輸送能力を備えている。

さらに、同船はLNG(液化天然ガス)およびMGO/VLSHFO(低硫黄重油)のデュアル燃料主機を搭載しており、運航における柔軟性と環境性能の両立を実現している。また、バイオ燃料にも対応し、DNV(デット・ノルスケ・ベリタス)による「アンモニア燃料準備完了(Ammonia Fuel Ready)」「バッテリー準備完了(Battery Ready)」という船級符号も取得済みだ。
これは将来的に、搭載エンジンを部分的に改良することで、アンモニア燃料や電池駆動によるゼロエミッション運航が可能になることを意味しており、「BYD CHANGSHA」号は持続可能な海上輸送の新たなマイルストーンとして注目されている。
BYDは今後、さらなる船隊拡充を視野に入れており、グローバル市場に向けた自動車輸出能力の強化と、グリーン輸送の実現に向けて着実に歩みを進めている。自動車製造と輸送の両面で、低炭素化と環境配慮のリーダー企業としての地位を確立しつつある。
(中国経済新聞)