4月18日に行われた中国国務院新聞弁公室の記者会見で、2024年第1四半期の金融の動きや外国為替の収支について発表があり、中国人民銀行通貨政策局の鄒瀾局長が、3月末のM2(広義のマネーサプライ)残高が300兆元(約6399兆円)を超えたことなどについて説明した。「現在の膨大な通貨の量的増加は収まるだろう。数字的な変動もあって同期での単純比較はできない。本当に資金が必要な効率的企業が一段と融資を得ることになる。資金の空回りへの監視を強化しチェック体制を整える」とのことである。
鄒局長は、「M2の残高は現在300兆元(約6399兆円)以上となり、ここ数年にわたり金融面が実体経済を支えてきたことが示されている。中国経済はこれまで長期間急成長を維持し、規模が膨らみ続け、企業の資本や個人の資産が急速に増えたことで、通貨需要が増えた。また貸付額もこれとともに長らく2桁成長を続けており、経済成長を支える環境をもたらした。特にコロナ禍の3年間は、経済全体が持ちこたえられるように反転的な措置に力を入れた。全体的に見て、現在の通貨ストックは充足している」と述べた。
さらに鄒局長は、「中国経済は現在、構造改革やモデルチェンジが進んでおり、不動産の需給関係が大きく変化し、地方で一段と債務の抑制に力を入れたことで、経済が軽量化し、貸付も需要が幾分収まり、その中身も改善している」と指摘した。ただし、こうした変化を察知し適応している中で、一部の銀行が経営モデルや社内の評価について、規模にこだわり、融資が実体経済に適切な分をオーバーしている。また一部の企業が、地位的メリットを生かして安値の融資で得たお金で資産運用や定期預金をしたり、他社に再貸付をしたりしており、本業で稼がず金融を利益源としている。これでは資金の空回りや放置が進み、利用率が低下してしまう。よって今年の「政府活動報告」で、「避免資金の空回りや放置を避けること」と指示されている。
鄒局長はまた、人民銀行における資金の放置や空回り対策について、監視を強化しチェック体制を整えていくと述べた。こうした現象は、経済の構造改革が進み、有効需要が回復し、今後の見通しが改善することで収まっていくという。現在の膨大な通貨の量的増加は収まり、数字的な変動もあって同期での単純比較はできないが、決して実体経済に対する金融的な支えが弱まったわけではなく、本当に資金が必要な効率的企業が一段と融資を得ている。これは金融支援の効果の現れだという。
(中国経済新聞)