富士康、インド工場の中国人従業員300人以上が帰国 

2025/07/5 22:07

台湾の富士康科技集団(Foxconn)が、インド南部にあるiPhone製造工場から数百人の中国人エンジニアおよび技術者を中国に帰国させていることが、関係者の情報として明らかになった。この動きは、米アップル(Apple)が南アジアでの生産拡大を進める中で、大きな影響を及ぼす可能性がある。

ブルームバーグによると、富士康のインド工場に勤務する中国人従業員の大部分が、約2カ月前から帰国を指示されている。これまでに300人以上がインドを離れ、中国に帰国した。一方で、台湾出身のサポートスタッフの多くは引き続きインドに残っている。現時点で、アップルの主要なiPhone組み立て企業である富士康が、なぜこれらの従業員を帰国させているのか、その理由は明らかになっていない。

関係者によると、中国人従業員の帰国は生産品質には影響を与えないものの、生産ラインの効率に一定の影響を及ぼす可能性があるという。このタイミングは、アップルにとって不利な状況と言える。同社は現在、インドの製造パートナーとともに、次世代モデル「iPhone 17」の生産規模拡大を準備している。富士康はインド南部に新たなiPhone工場を建設中であり、このプロジェクトは同社のインドでの事業拡大の要となっている。

富士康は依然としてiPhoneの大部分を中国で生産しているが、近年はインドでの組み立て事業を大幅に拡大してきた。これまで同社は、事業の迅速な立ち上げを支援するため、経験豊富な中国人エンジニアを多数インドに派遣していた。

(中国経済新聞)