中国・蘇州市で再び日本人母子襲撃事件

2025/08/1 19:18

中国江蘇省蘇州市で、2025年7月31日夕方、日本人の母親と子が地下鉄駅構内で突然襲われる事件が発生した。母親が石のようなもので殴られ負傷し、病院で治療を受けたが、命に別条はない。容疑者は現在逃走中で、地元当局が身柄確保に動いている。この事件は、昨年6月に同市で起きた日本人母子への刃物襲撃事件に続き、日本人社会に再び衝撃を与えている。

在中国日本大使館によると、7月31日夕方、蘇州市の地下鉄駅構内で、日本人母親が子と一緒に歩いていたところ、何者かに石のようなもので殴られた。母親は負傷し、病院で手当てを受けたが、幸い命に別条はない。子への直接的な被害は報じられていない。容疑者は現場から逃走し、蘇州市公安局が捜査を進めているが、犯人の動機や詳細は現時点で不明だ。

蘇州市は、上海市に隣接する人口約1300万の都市で、日本企業が多く進出し、日本人駐在員やその家族が多数暮らす。今回の事件現場である地下鉄駅は、日常的に多くの人が利用する市街地の公共交通機関だ。事件の背景が明らかでない中、邦人コミュニティには不安が広がる。

蘇州市では、2024年6月24日にも重大な襲撃事件が発生した。この事件では、蘇州日本人学校のスクールバス停留所で、日本人母子が52歳の中国人男性、周加勝に刃物で切りつけられ負傷。バス案内係の中国人女性、胡友平さん(当時54歳)が犯人を制止しようとして刺され、死亡した。胡さんは身を挺して子どもたちを守り、蘇州市から「正義を貫く勇気ある人物」の称号を授与されたが、事件は日中両国に大きな衝撃を与えた。

今回の事件を受け、日本政府は即座に中国側に再発防止と邦人の安全確保を申し入れた。在上海日本総領事館は、地元当局と連携し、事実確認と警備強化を求めている。

(中国経済新聞)