アップルのiPhone、中国で2年ぶりの販売増

2025/07/5 17:30

2025年第二四半期(4〜6月)、米アップル社のiPhoneが中国市場で2年ぶりの販売増を記録したことが、業界調査会社Counterpoint Researchの最新データにより明らかになった。

同社によれば、iPhoneの中国における販売台数は前年同期比で8%増加。これは2023年第2四半期以来、初めてのプラス成長であり、中国市場における業績の「転換点」となる可能性があると見られている。

販売回復の背景には、5月から行われた各種プロモーションの効果が大きい。とりわけ「618ショッピングフェスティバル」(中国最大級のECセール)直前に行われたiPhoneの値下げと、旧機種の下取り価格の引き上げが消費者心理を後押ししたとされる。

Counterpointの副ディレクターであるイーサン・チー氏は、「アップルは5月に価格を調整し、ちょうど618セールの一週間前に合わせた。そのタイミングは非常に良く、消費者からの反響も大きかった」と述べている。

アップルにとって中国市場は依然として最も重要な市場の一つであり、今回の販売回復は同社の株主にとっても明るいニュースだ。なお、2025年に入り同社株価はおよそ15%下落しており、様々な外的要因が業績に影を落としていた。

とりわけ、アメリカのドナルド・トランプ前大統領が、iPhoneの製造拠点を米国内に戻すようアップルCEOティム・クック氏に圧力をかけたことは、市場にも動揺を与えた。しかし、業界の多くの専門家は、この要求が現実的ではないと一蹴している。

一方、同四半期において中国国内スマートフォン市場で最大のシェアを誇ったのは、中国の通信機器大手・華為(ファーウェイ)で、販売台数は前年比12%増。2位にはVivo、3位にアップルが続いた。

Counterpointのシニアアナリスト、アイバン・ラム氏は、「コアユーザー層が続々と旧機種から新機種へ買い替えており、華為のブランドに対する忠誠度は依然として非常に高い」と分析している。

(中国経済新聞)