7月4日、中国駐タイ王国大使館は、中国人男性がミャンマーで不法に拘束されていた事件について、同男性が無事救出されたことを発表した。今回の事件は、中国国内外で大きな注目を集め、SNSでは「広州のモデルがミャンマーで不法拘禁」の話題がトレンド入りした。
事件の発端は、広州市在住の女性・衷(ちゅう)氏が7月2日にメディアへ告発したことから明らかになった。彼女によると、モデルとして活動していた弟・王星さん(芸名不詳)は、以前の仕事関係者から「タイでの雑誌の表紙撮影」の仕事を持ちかけられ、2025年6月8日深夜0時33分に広州白雲国際空港を出発、深夜2時12分にタイ・ドンムアン空港へ到着した。
しかし、その後空港の6番ゲートから車に乗車したまま、所在が不明となった。予約していたバンコク市内のホテル「B Your Home Hotel Donmueang Airport Bangkok」にもチェックインしておらず、本人の安否が懸念されていた。
6月13日、王さんは姉にビデオ通話をかけ、「ミャンマーに騙されて連れてこられた」と短く語ったものの、具体的な居場所は不明のままだった。家族はすぐに中国・広州とタイ・バンコクの双方で警察に通報し、現地に赴いて支援を要請。両国の警察はすでに正式に捜査を開始していた。
王星さんは、これまでに『狐妖小紅娘月紅篇』で牧童役を演じたほか、『バラの物語』『猟罪図鑑』『女性心理士』などのドラマにも出演した経歴がある若手俳優・モデルとして知られている。
事件が公になった後、中国駐タイ大使館は即座にタイ警察と連絡を取り合い、緊急救出プロセスを開始。7月4日、大使館は「各方面の協力のもと、中国公民・衷某は無事に救出された」と正式に発表した。
また、大使館は声明の中で、「海外における『高収入の仕事』という名目での誘拐や詐欺に引き込まれる事例が増加しており、特に若者は十分注意してほしい」と警鐘を鳴らした。さらに、「外国籍の人物がタイ国内で就労するには、正規の労働許可が必要である」とも強調した。
(中国経済新聞)