2023年12月末、中国のインターネット動画ユーザーの規模は10億人を超えており、そのうち超短編動画のショートドラマの市場規模は300億元(約6335億円)を超え、1日あたりの課金額は6000万元(約12億6710万円)に達した。今年の市場規模はさらに大幅に拡大することが予想される。
人々が動画を好んで見るのはなぜか。ショートドラマはなぜこれほど人気なのか。これからどうなるのか。
少し前にショートドラマ研究プラットフォームのDataEye(データアイ)が発表した報告の中で、「ショートドラマの市場規模は23年の373億9000万元(約7900億円)から24年は500億元へと大幅増加し、27年は1000億元を超えることが予想される。海外の市場規模は昨年におよそ1億7000万ドルに達しており、今年は10億ドル、来年は30億ドル、再来年は50億ドルを超える見込みだ」とした。
中国人民大学の何天平准教授(視聴発信・メディア社会学)は、「ショートドラマに熱中する視聴者の一部は『無意識的に』これを受け入れている」と指摘する。
何氏は、「人々は視聴するコンテンツに対して旺盛な消費意欲があるが、既存の市場の映画・テレビドラマでは彼らの嗜好を満足させられない。この一部の視聴者は映画・テレビドラマを芸術作品とは考えておらず、暮らしの中の潤滑油とか、一種の娯楽やレジャーだと考えている。このような状況の中、彼らは無自覚に刺激によって快感や爽快感が得られるコンテンツに心を奪われるようになり、ますます深くはまっていくようになる」との見方を示した。
中国社会科学院世界メディア研究所の冷松事務局長(研究員、国家ラジオ・テレビ総局新メディア連盟シンクタンク専門家)は、「ここ数年のショートドラマは2種類のコンテンツがとりわけ人気だ。一つは洗練されたセレモニー感のあるもの、もう一つは暮らしのぬくもりにあふれたものだ。言い換えれば、自然と人間に関する題材が最大の注目点だということだ」と述べた。
冷氏は、「ショートドラマは高度に凝縮され、短い時間にドラマの緊張感や葛藤を際立たせ、サスペンス感を醸し出す必要があり、脚本家には高い要求が課せられる。若者が好むショートドラマの根底に横たわる中核的な論理は『反逆精神』であり、人気のショートドラマの背後には必ず『反逆精神に富んだ人物』がいる」と続けた。
(中国経済新聞)