ホンダの五十嵐雅行中国本部長は2024年4月16日、電動化への取り組みを加速するとした上で、中国向けにデザインした新型EVモデル「燁」を発表した。「燁P7」、「燁S7」、「燁GT CONCEPT」の3タイプがあり、前2者は2024年末に発売、「燁GT CONCEPT」は2025年から本格生産とのことである。いずれも新型のEVを対象にデザインした「H」のロゴマークと、新型アーキテクチャー「W」を導入している。「燁」シリーズは2027年までに6タイプをそろえる予定である。
ホンダはすでに中国で、東風ホンダや広汽ホンダとの共同生産による車「e:N」を打ち出している。2027年までに、中国で発表するモデルはすべてガソリン車でなくハイブリッドまたはEVとし、2035年までにはEVの販売割合を100%とする予定である。
五十嵐本部長によると、「e:N」と「燁」の違いについて、「e:N」はFWDプラットフォームをベースにしたスモール系が中心で、「燁」は新型のRWDや4WDのプラットフォームで中国向けに開発されたもという。この「燁」とアーキテクチャーの「W」は、中国の資源や技術を集結させて現地の研究所の若手スタッフが開発している。
「燁」はサプライチェーンについて、CATLから電池を仕入れ、助手席側にファーウェイのワイドパネルを搭載するなど、多数の現地各社と提携している。ホンダはまた、同じく中国企業の航盛電子や科大訊飛なども仕入先としている。
ホンダは今、中国で試練を迎えており、現地合弁の各社が軒並み市場シェアを落としている。2023年3月は主な合弁ブランドの販売台数が前年比8%減の50万台で、うち日系ブランドのシェアは2.2ポイント減っている。中国では、新エネ車の市場シェアについて、国内ブランドの占める割合が63.3%に達しており、一方で主な外国との合弁ブランド品は7.4%にとどまっている。
五十嵐本部長は、「新エネ車のシェアを拡大するほか、ガソリン車の販売が大幅に減っていることから、生産力の見直しも検討する」と述べている。ホンダはまた全固体電池の開発も進めており、2025~2030年の間に新車へ導入予定とのことである。今のところ中国では輸出の予定なはいが、固体電池の導入はEVに対する長期的な約束となるものである。
(中国経済新聞)