バイトダンス、TikTok米国事業売却の報道を否定

2025/07/9 20:30

中国のテクノロジー大手バイトダンス(ByteDance)が、短編動画プラットフォームTikTokの米国事業を、オラクル(Oracle)が主導する米国財団に売却し、少数株式を保持する形で合意したとの報道が最近浮上した。しかし、7月8日、バイトダンスは公式声明で「当該情報は事実ではない」と述べ、この報道を明確に否定した。

TikTokを巡る米国での事業継続問題は、データプライバシーや国家安全保障に関する懸念から、長年にわたり議論の的となってきた。米国政府は、TikTokの米国事業が中国政府とデータを共有する可能性を問題視し、バイトダンスに対し事業売却を求める圧力を強めてきた。報道によれば、今回の売却交渉には米国と中国の両政府の承認が必要であり、米国政府は最終期限を2025年9月17日に設定している。この期限を過ぎた場合、TikTokは米国での運営禁止に直面する可能性がある。

一部のメディアは、オラクルが主導する財団がTikTokの米国事業を買収し、バイトダンスが技術サポートを提供しながら少数株式を保持する案が検討されていると報じていた。しかし、バイトダンスの否定声明により、交渉の進展や具体的な合意の有無について不透明感がさらに高まっている。

TikTokは米国で1億7000万人以上のユーザーを抱え、特に若年層を中心に絶大な人気を誇る。一方で、米国政府や議会は、TikTokのデータ管理やアルゴリズムが中国政府の影響下にあるとして、繰り返し懸念を表明してきた。2024年には、米議会がTikTokの米国事業売却を求める法案を可決し、バイデン大統領がこれに署名したことで、バイトダンスに対する圧力は一層強まった。

ウェブ上の情報によると、TikTokは米国での事業継続に向け、データ管理の透明性を高めるための取り組みや、米国ユーザーのデータをオラクルのクラウドインフラで管理する「プロジェクト・テキサス」などの対策を進めてきた。しかし、これらの努力が米国政府の懸念を完全に払拭できたかどうかは不明だ。

(中国経済新聞)