中国のネット通販大手・京東グループの子会社である京東航空は8月31日、中国民用航空局より「航空輸送者運行合格証」(CCAR-121部)を取得した。本格的に航空輸送業務を展開することになる。
京東物流の関係者によると、京東航空は主に南通、北京、深セン、無錫などを対象とし、当面は長江デルタ、渤海湾エリア、珠江デルタの三大経済圏で貨物輸送を展開し、長江中流域や四川省、重慶などへも延伸していくという。国内で輸送網のさらなる整備に取り組み、2025年末までには主要都市をほぼ網羅したうえ、北米、ヨーロッパ、中東、東南アジア、日韓などの海外の主な市場に拡大していく。
「京東航空は主にぜいたく品やハイテク製品、医療、生鮮食料品といった業界を対象に、スピーディーで高価値な商品を取り扱い、1回あたりの輸送量は23トン」とこの関係者は述べている。
地上のネットワークについては、2022年6月30日現在で京東物流が国内に計1400か所以上の倉庫を有し、クラウド方式で管理する面積も含めると倉庫の面積はおよそ2600万平方メートルとなる。
こうした倉庫密度を備えた京東は、中国国内で区・県部の94%、町村部の84%で当日もしくは翌日配達を行っており、これに自社での航空輸送が加わると輸送体制が充実して納期も一段と確保される。この関係者によると、京東航空の稼働により、主な都市間で「夕方発送で翌朝着」、「全国発送」が可能となる貨物便を運航する地域が95%以上に達するという。
(中国経済新聞)