5月30日、上海航運交易所が発表した即時市場の運賃を反映する「上海輸出コンテナ総合運賃指数(SCFI)」は2072.71ポイントに達し、前週比で30.7%の大幅な上昇となった。特に中米航路の運賃が突出しており、中国から米国西海岸(美西)への運賃はFEU(40フィートコンテナ)あたり5172ドル、東海岸(美東)への運賃は6243ドルとなり、それぞれ前週比で57.9%、45.7%上昇した。
また、寧波航運交易所が発表した「寧波輸出コンテナ運賃指数(NCFI)」も大幅に上昇し、同日には1676.25ポイントを記録、前週比51.55%の増加を示した。中でも中米航路は、美西向けが89.23%、美東向けが69.7%という驚異的な伸びを見せた。
これは、SCFIおよびNCFIの歴史において中米航路で記録された過去最大の週次上昇幅である。わずか5週間前の4月25日には、中国から美西、美東への運賃はそれぞれ2141ドル、3257ドルであり、今回の急騰により、5週間で美西航路は142%、美東航路は92%の上昇となった。
上海航運交易所は、この急騰の背景には「駆け込み輸出」による輸送需要の高まりがあると説明する。北米向け輸送量は関税戦前の水準に戻りつつあるが、船腹供給は依然として逼迫しており、一部の港では混雑も発生しているという。寧波航運交易所も同様に、「供給不足による運賃高騰」が要因だと分析する。
市場関係者の間では、今後も運賃の上昇が続くとの見方が広がっている。華泰期貨によると、第25週(6月16日〜22日)には、仏CMA CGM(達飛海運)の美西航路運賃がすでにFEUあたり8346ドルに達し、同じアライアンスに属するマースク系のヘルパグロイド(赫伯羅特)の美東航路は9273ドルにまで上昇している。
複数の貨物フォワーダー(貨物取扱業者)は、輸出業者の出荷集中により、上海港および深セン・塩田港でコンテナトラックの進入渋滞が発生していると述べている。「コンテナを港に搬入するために、数時間もトラックが待機するケースが増えている」という。
上海港を運営する上港集団の生産業務部副総経理・楊焱浜氏によると、第21週(5月19日〜25日)の上海港から米国向けの輸出コンテナ量は5.9万TEUに達し、前週比で49.4%の急増となった。「これまで停止していた米国向け定期船もすべて再開され、週42便という通常レベルに戻っている」と語った。
ある大手海運会社の関係者は、今回の出荷ラッシュは、以前滞留していた貨物と新たな輸出貨物が短期間に重なったことによるものと指摘。また、船会社側も運航再開に慎重な姿勢を崩さず、供給が需要に追いつかずに「一舱難求(一船も取れない)」の状態が続いていると話す。
アジア太平洋地域本部を上海に置く「海連(中国)国際貨運」の責任者である銭龍氏は、4月下旬の関税リスクを受けて出荷量が激減し、多くの船会社が他の航路へと船を移動させたと説明。現在の需要急増により、空船の帰航が間に合わず、短期的に供給がひっ迫していることが、今回の「一舱難求」現象の原因だと語った。
(中国経済新聞)