5月27日午前11時57分頃、中国山東省高密市にある友道化学有限公司の工場で爆発事故が発生した。爆発直後、現場は激しい火柱と黒煙に包まれ、大きな爆発音が周囲に響き渡った。近隣住民は恐怖に駆られ、現場周辺は一時騒然となった。
地元当局は直ちに緊急対応を発動し、消火および救助活動に全力を挙げた。午後7時25分時点の公式発表によると、この爆発により5人が死亡、6人が行方不明、さらに19人が軽傷を負ったことが確認されている。

事故を起こした友道化学有限公司は、ここ数年、殺虫剤の製造に特化して事業を展開してきた企業である。特に「クロラントラニリプロール(Chlorantraniliprole)」という有効成分の原薬を年間1万トン生産する能力を有し、総投資額は10億元、年間売上高は50億元を超えるとされている。
今年4月には、同社のクロラントラニリプロール原薬が米国環境保護庁(EPA)から登録承認を受け、中国企業としては初めてこの製品で米国における自主登録を達成した。これにより、国際市場における同社の存在感が一気に高まり、業界内でも注目を集めていた。
友道化学の親会社は、タイヤ金型などの工業用部品で世界的な評価を受けている「隠れたチャンピオン企業」、豪迈(Haomai)グループである。同グループのトップを務めるのは、山東省を代表する実業家、張恭運氏である。
今回の爆発事故の原因については現在調査中であり、関連部門は安全管理体制の見直しを進めている。被害者家族への支援や補償問題、また地域社会への影響も含め、今後の対応が注目される。
(中国経済新聞)