中国財政部は7月17日、超高級小型自動車に対する消費税の徴収基準を従来の130万元(約2600万円)から90万元(約1800万円)に引き下げる新たな政策を発表した。この変更により、純電動車や燃料電池車を含む多様な動力タイプの高級車が消費税の課税対象に含まれることになる。一方で、政策では中古の超高級小型自動車の販売については消費税を免除すると明確に規定されている。

この政策は、自動車市場における高級車の消費を促進しつつ、税収の増加を図る狙いがあるとみられる。これまで130万元以上の車両に限定されていた消費税の課税対象が、90万元以上の車両に拡大されることで、より多くの高級車が課税範囲に含まれる。特に、新エネルギー車(NEV)である純電動車や燃料電池車も課税対象に含まれる点が注目される。これにより、従来の内燃機関車だけでなく、環境に配慮した次世代車両も課税対象となり、自動車産業全体に影響を及ぼす可能性がある。
新たな政策は、7月17日に中国財政部により正式に発表された。専門家は、この基準引き下げにより、高級車市場の活性化と同時に、税収の増加が見込まれると指摘している。特に、近年急速に成長している新エネルギー車市場において、90万元以上の高価格帯モデルが増加している背景から、税収拡大の効果が期待されている。一方で、中古車市場においては、超高級小型自動車の消費税免除により、消費者の負担軽減と中古車流通の促進が図られる。

中国の自動車市場は世界最大規模であり、高級車セグメントも急速に成長している。今回の政策変更は、自動車メーカーが中価格帯から高価格帯のモデル開発に注力する中で、消費者の購買意欲を刺激しつつ、財政収入を確保する戦略の一環と考えられる。特に、BYDや紅旗といった中国国産ブランドがプレミアム市場に進出する中、税制の変更が市場競争にどのような影響を与えるか注目される。
また、ソーシャルメディアX上では、この政策について「国家が税収を増やしつつ、消費者がより手頃な価格で高級車を購入できるWin-Winの施策」と評価する声や、「中低価格帯の自動車産業に注力し、過度な高級化を抑制する意図がある」との意見が見られる。一部の意見では、消費税基準の引き下げが社会の富の格差是正や理性的な消費を促す一歩と捉えられている。
中国政府は、今回の政策を通じて、自動車産業の持続可能な発展と財政健全化の両立を目指している。今後、90万元以上の高級車市場の動向や、中古車市場の活性化がどのように進むか、引き続き注目が集まる。
(中国経済新聞)