ワハハ創業者・宗慶後氏に“7人の子ども”報道、遺産トラブルで杭州市が専任チームを設置

2025/07/19 07:30

中国を代表する飲料メーカー「娃哈哈(ワハハ)」の創業者・宗慶後氏の死後、遺産相続を巡る争いが激化している。新たに宗氏に“7人の子ども”がいるとの報道が浮上し、世間の注目を集めている。杭州市上城区の当局は事態を重く見て、特別対応チームを立ち上げたことが明らかになった。

報道によると、2018年に宗氏が父親の年譜を編纂した際、娘の宗馥莉氏のほかに、6人の子どもが存在することが判明したという。なかでも、宗繼昌(Jacky Zong、1996年生)、宗婕莉(Jessie Zong、1998年生)、宗繼盛(Jerry Zong)の3人は、ワハハの創業メンバーである杜建英(と・けんえい)氏との間に生まれたとされている。

また、宗氏は杜氏と「結婚」する以前、別の女性社員との間に一女を儲け、その母娘は現在アメリカに居住していると伝えられている。さらに、2017年には若い女性社員との間にもう一人の子どもが生まれたとする噂もある。合計すると“7人の子ども”となり、ネット上では「ワハハがまるで“葫蘆娃”(ひょうたん童子)」と揶揄する声も上がっている。

この報道に対し、宗氏の弟である宗澤後氏は「完全なデマだ。家族構成はすでに明確で、杜建英との間の3人だけ」と強く否定。家系図を示しながら、ネット情報を一蹴した。

一方で、宗繼昌・宗婕莉・宗繼盛の3人は現在、宗馥莉氏を相手取り、香港と杭州の2か所で訴訟を起こしている。香港では、父が生前約束していたと主張する21億ドル(約3123億円)の信託財産の返還を求め、香港HSBC銀行の口座にある約18億ドルの凍結を申し立てている。さらに杭州中級人民法院では、宗馥莉氏が保有するワハハの29.4%の株式について、相続権の確認を求める訴訟も提起されている。

この問題を受け、ワハハグループ最大の株主である杭州市上城区財政局は、「数多くの苦情や通報を受けており、すでに専任チームを立ち上げて対応している。事態の早期解決を目指したい」とコメントした。なお、財政局は下部組織である文商旅投資控股グループ有限公司を通じて、同社の40%の株式を保有している。

“質素な生活を送る実業家”という宗氏のイメージとは裏腹に浮上した今回の家族問題と資産トラブル。中国社会では大きな波紋を呼んでおり、今後の法廷闘争の行方が注目される。

(中国経済新聞)