中国浙江省・杭州蕭山国際空港のT4ターミナルにある百年老舗の中華料理チェーン「知味観(ちみかん)」の店舗で提供された小籠包の蒸籠から、ネズミの糞と疑われる異物が見つかったとして、運営元が深夜に謝罪文を発表し、当該店舗の営業を即時停止した。
問題は、7月初旬に空港を利用したあるネットユーザーがSNS上に投稿したことで発覚した。投稿者によると、小籠包をほぼ食べ終えた後、蒸籠の紙の下から褐色の小さな異物が複数見つかり、それがネズミの糞のように見えたという。
この投稿には「百年の老舗とは思えない」「空港の飲食店でこれはあってはならない」といった厳しい批判が相次いだ。
報道を受け、店舗責任者はメディアの取材に対し「通常、蒸籠は毎日洗浄しており、蒸籠紙は使い捨て。該当日は来店客数が多く、従業員の作業に問題があった可能性がある」と述べた。顧客には当日、返金対応を行ったとし、現在関係当局が調査中であることを明かした。
知味観は7月9日深夜、自社の公式WeChat(微信)アカウントを通じて謝罪声明を発表。声明では「今回の事件を重く受け止め、現場にて即時確認を行い、当該顧客と連絡を取り、真摯にご意見を受け入れる」とした。
また、該当店舗(国際線隔離エリア H17.4-001)は「杭州盛程商貿有限公司」が運営しており、同社は知味観の製品を取り扱う空港内の販売パートナーであると説明。知味観本部は「日常的なパートナー管理の甘さが露呈した」として、一般消費者に対し改めて謝罪し、今後は協力企業に対する監督を強化していくと述べた。
知味観は1913年創業の老舗中華ブランドで、現在は「杭州飲食サービス集団有限公司」に所属している。同集団は2002年に設立され、杭州市商貿旅遊集団有限公司が72%超を出資、残り約28%は百勝(中国)投資有限公司(ヤム・チャイナ)によって保有されている。
一方、問題となった空港店舗の運営会社である杭州盛程商貿有限公司は、2011年に設立され、陝西省の首信商貿有限公司の全額出資子会社であり、杭州蕭山国際空港内に複数の店舗を展開している。
(中国経済新聞)