2022年前半の中国は、コロナの影響で上海など数多くの都市が長期間ロックダウンしたことで、小売業界は過去にない大打撃を蒙った。
こうした中で、大手ネット通販の「拼多多」は売上高が2021年前半より22%プラスの552億元(約1兆2257億円)、純利益は創業以来最高となる150億元(約3031億円)近くに達し、独り勝ちを収めた。同じく通販大手の京東は売上高が18%増、アリババは9%増にとどまり、ともに上場以来最低の伸び率だった。
総崩れとなった通販業界を悠々と独走したその原動力を語るキーワードは、「コロナ」、「消費のレベルダウン」、「ライバル後退」の3つである。
新型コロナウイルスがぶり返した上半期、通販各社は納品がままならず業績を大きく落としたが、拼多多はどこ吹く風と言わんばかりに好調を示した。
ロックダウンが講じられた4-5月の上海で、拼多多は政府より、「物資の供給確保元」の一つに指定された。
通販利用者の経験で言えば、上海でコロナが深刻だった4-5月を中心に京東は配達が軒並み遅延し、アリババもデリバリーに支障が出た。しかし拼多多は、商品の質も量も、またタイミングも確保するという特別対策を講じたことで、かなりの利用者を獲得した。
拼多多はまた、消費が回復し始めた5 月下旬からさらなる販売拡大に努め、日用品、農産物、小型家電、美容品などで大きく売上を伸ばした。
利益を見ても拼多多は十分に結果を残しており、粗利率は74.7%で純利益率は34.27%であった。一方でアリババは粗利率が36.9%、純利益率15%となっている。
(中国経済新聞)