2025年3月は、中国の不動産市場において伝統的な「小陽春」(市場が活性化する時期)とされる季節です。しかし、今年の3月は新築住宅と中古住宅の価格動向において、明らかな冷熱の差が見られました。新築住宅市場では、改善型物件の市場投入や政策による刺激策の影響で、100都市の平均価格がわずかに上昇した一方、中古住宅市場では価格の下落傾向が続いています。
中国指数研究院の統計によると、2025年3月の100都市における新築商品住宅の平均価格は1平方メートル当たり1万6740元(約34万5600円)で、前月比0.17%の上昇、前年比では2.63%の上昇となりました。このうち、40都市で価格が前月比上昇し、50都市で下落、10都市で横ばいとなっています。
中古住宅に関しては、3月の100都市の中古住宅平均価格は1平方メートル当たり1万3988元(約28万8800円)で、前年同月比0.59%減、前月比0.17%減となり、前年同月比7.29%減と35ヶ月連続で下落している。

現在の中国不動産市場は、新築と中古市場で異なる動きを見せています。新築住宅市場が微増傾向にある背景には、政府の政策支援や、質の高い住宅(改善型物件)への需要が影響していると考えられます。特に都市部では、住宅のアップグレードを求める中間層の需要が新築市場を支えている可能性があります。一方、中古住宅市場の下落は、過剰供給や買い手の慎重姿勢、そして新築物件への関心シフトが原因と考えられます。また、地域差も顕著で、経済力のある大都市では価格が安定または上昇傾向にあるのに対し、地方都市では需要不足から下落が続いていると推測されます。
今後の中国不動産市場の動向は、いくつかの要因に左右されます。まず、政府の政策が引き続き重要な役割を果たします。住宅購入への支援策や金利調整が強化されれば、新築市場の緩やかな回復が続く可能性があります。しかし、中古市場については、供給過多の解消や需要喚起策がなければ、下落圧力が持続するでしょう。また、経済全体の成長率や人口動態(特に都市化の進展度合い)も影響を与えます。大都市圏では引き続き需要が堅調である可能性が高いものの、地方都市では空室率の上昇や価格下落が長期化するリスクがあります。
中国の不動産市場は短期的には新築市場の緩やかな回復と中古市場の軟調さが共存する「二極化」の状態が続くと考えられます。長期的には、政府の規制緩和や経済環境の改善が市場全体の安定化に寄与するかどうかが鍵となるでしょう。
(中国経済新聞)