印楽法師、白馬寺住職から少林寺住職に就任

2025/07/29 19:03

河南省登封市政府の「少林寺管理処」は7月29日、公式通知を発表し、漢伝仏教の寺院住職任命に関する規定(《漢伝仏教寺院住持任职办法》)に基づき、少林寺の“両序大衆”(寺院の管理職)による民主的な評議を経て、関連手続きを履行した結果、印楽法師を少林寺の新住職として礼請したことを明らかにした。

公開情報によると、印楽法師は1966年7月生まれの59歳で、1990年に中国仏学院を卒業。卒業後は河南省仏教協会に勤務し、副秘書長および副会長を歴任した。2003年10月、河南省仏教協会の委派を受けて洛陽市の白馬寺で住職としての活動を開始し、2005年11月に同寺の住職に正式に就任した。また、印楽法師は第14期全国人民代表大会の代表を務めている。

一方、少林寺管理処は7月27日、前住職の釈永信氏に関する公告を発表。釈永信氏は26年間にわたり少林寺住職を務めてきたが、経済的な問題や複数の女性との間に子をもうけた疑惑が浮上し、政府関連部門による調査を受けているとされた。翌28日、中国仏教協会は釈永信氏の「戒牒」(僧侶資格)を取消す決定を発表した。

少林寺は、河南省登封市嵩山の五乳峰下に位置し、北魏太和十九年(495年)に創建された禅宗の祖庭であり、少林功夫の発祥地として世界的に知られている。「天下の功夫は少林にあり、少林の功夫は天下に冠す」と称され、その文化的影響力は計り知れない。今回の住職交代は、少林寺が新たな時代に対応し、仏教文化の継承と信頼回復を目指す重要な転換点とされている。

白馬寺での豊富な経験を持つ印楽法師の就任は、少林寺の伝統を継承しつつ、地域社会や仏教界との連携を強化する契機となることが期待されている。今後、印楽法師が少林寺の新たなリーダーとしてどのような役割を果たすか、国内外から注目が集まっている。

(中国経済新聞)