中国、所得税に関する最新のデータ発表 1億人以上が税還付を申請、合計額1300億元 

2025/07/30 07:30

7月28日、中国税務総局の蔡自力副局長は国務院の記者会見で、 第14次5か年計画(2021~2025年)における所得税の状況について説明した際、「2024年は1億人以上が法に基づいた還付申請をし、金額は合計1300億元(約2兆6931.5億円)余りであった。また700万人以上が追納を申し出て、金額は計480億元(約9943.95億円)余りだった」と説明した。

これらの数字から、年度末の精算後、追納した人の数より還付対象者の方がずっと多かったが、1人当たりで見ると還付額より追納額の方が多かったことがわかる。よって納税者からすれば、税申告により還付金を得られる可能性が高くなっている。2024年の所得税申告期間は6月で終了したが、還付申告は今でも受け付け中である。

蔡副局長によると。配分を公平する取り組みにおいて、2021-2024年度の所得税申告データより、所得税納入額のうち年収上位10%のグループがおよそ9割を負担している。一方で年収が12万元(約248.7万円)以下の個人は年度末の精算後、基本的に所得税を納める必要がない。

税務総局が去年10月に発表したデータでは、所得税の申告者のうち年収100万元(約2072.35万円)以上という高額所得者の割合は1%であるが、これらの合計納税額は全体の5割以上を占め、所得額上位10%のグループの納税額は同じく9割以上となっている。中国では所得税の免除対象となる割合が全体の7割以上で、残りの3割弱のうち納税額が最低税率の3%という人が60%以上を占める。

中国では最低課税所得について、2018年10月1日から月収5000元(約10万3700円)で据え置きとなっているが、このところ実業家や学者がこの額の引き上げを呼びかけている。

蔡副局長は、「第14次5か年計画期間中、一連の所得税減税策が打ち出されたり延長されたりしている。年次賞与について税額を別枠としたり、年度末精算後の追徴税額が400元(約8290円)以下の場合は納税を免除したりするなど、広範囲な優遇策を講じたことで、計5800億元(約12兆196億円)の所得税を減免しているほか、2022年10月より住宅の買い替えに伴う不動産税の還付制度を実施してから、計111億元(約2300億円)の所得税を還付しているなど、対象者の税負担を軽減している」と述べている。

蔡副局長はさらに、「的確な管理体制にのっとって脱税行為を厳しく取り締まり、インフルエンサーや芸能関係者の脱税行為を60件以上摘発した。力のある取り締まり活動で納税意識を強化している」と述べた。

また、国家税務総局の王道樹副局長はこの会議で、「インフルエンサーや有名タレントなどに的を絞り、高額所得者の脱税や申告漏れを摘発した。2021年以降でインフルエンサーの脱税行為について360件以上を摘発し、追徴税額は30億元以上であった」と述べている。

(中国経済新聞)