バーガーキング、ゲーム「恋とプロデューサー」とコラボ

2024/12/17 07:30

12月11日、米ファストフード大手のバーガーキングは中国で、現地で開発されたゲーム「恋とプロデューサー」とのコラボ事業をすると発表した。またこのゲームを取り入れたセットメニューを発売したところ、十数分間で数万食分が売れたという。

「恋とプロデューサー」は、蘇州の叠紙網絡科技(以下「Papergames」)が恋愛をテーマに開発した若い女性向け·のシミュレーションゲームで、2017年12月20日にリリースされている。映画制作会社を経営する女性に扮して続々と不思議な出来事を経験する中、タイプの異なる4人の男性と出会い、感情が芽生えていくものである。

中国の餐飲業界は最近、ゲームIPとコラボするケースが定着しつつある。マクドナルドは先ごろ、中国のゲーム大手「米哈遊網絡科技(miHoYo)」のゲーム「ゼンレスゾーンゼロ」とのコラボを始め、関連メニューを出したりオンラインと現場の両方での活動をしたりしている。またケンタッキーは今年8月、「Papergames」が開発した大人気の恋愛シミュレーションゲーム『恋と深空』とコラボし、IP関連グッズ付きのセットメニューを2種類発売した。90万食限定で値段45元(約945円)と20万食限定で52元(約1092円)の2品はともに発売即完売となった。その前に2022年にはピザハットがmiHoYoのゲーム「原神」とのコラボをしており、上海の環球港店では朝7時か8時ごろから客が集まり、ショッピングモール「グローバル・ハーバー」をぐるりと1周する数百メートルの長い行列が発生した。

事業戦略の専門家で福建省の華策品牌定位諮詢の立ち上げ人である詹軍豪氏は、「ブランドポジションという点で言えば、日用雑貨品はゲームやアニメとコラボすることで商品の若年化や市場の細分化が進む。人気のゲームやアニメIPとのコラボで、そのIPのファンが一気に増え、特に若い消費者を呼び込めるので、ブランドのイメージもより若く今風になり、競争力アップにつながる」と述べている。

詹氏はまた、このようなコラボをする際のリスクにも触れている。まず、コラボをする両者のブランドやイメージが著しく乖離していると、それらに対する認知がかち合ってしまい、消費者の認知度や愛着感が薄れることになる。また、コラボ商品が消費者の期待を下回るものとなったり、あるいはコラボイベントが増えすぎて新鮮味がなくなったりすると、消費者が倦怠感を覚え、場合によってはブランドイメージを損ねてしまうと見ている。

詹氏はさらに、「効果を長引かせるには、コラボイベントで商品側がブランドの独自性やコアバリューを維持すること、また消費者が興味や愛着感をいつまでも持てるようにコラボの形や内容を常に新鮮なものとすることが必要」と述べている。このようにしてこそ、激しい市場競争で消費者を引き寄せ、商品人気を永続させることができるという。

(中国経済新聞)