中国では、広東省のグレーターベイエリアが事実上の「市」に近くなり、また長江デルタ地帯が同じく「省」のようになるなど、地域統合が加速している。
グレーターベイエリアでは、「地下鉄第1号」と呼ばれる広東・仏山・肇慶・東莞・恵州の5都市を結ぶ鉄道が開通した。この鉄道は、ホームの造りや乗り方などがほぼ地下鉄と同じく自由に動ける形であり、都市間地下鉄または「大型地下鉄」などとも呼ばれている。
この開通で5つの都市を東西に結ぶ形が出来上がり、全長258キロメートルの大動脈となってグレーターベイエリア全体が一段と近接している。
また、注目されている深セン市と中山市を結ぶ道路が間もなく開通し、珠江の河口部全体が11本の海上ルートで結ばれ、両岸が「直結」することになる。
また長江デルタ地帯では、6月1日に上海市・蘇州市・浙江省・安徽省を「リング状」に結ぶ環状高速鉄道が開通した。上海を出発し、蘇州、常州、南京、合肥、黄山、杭州、嘉興などを通って上海に戻る路線である。
杭州湾は今後数年間で、建設中である鉄道の「通蘇嘉甬線」、計画中で総工費1000億元の道路「滬甬線」、および「滬舟甬線」の計3本の海上ルートが開通する予定である。
長江を横断して南通、蘇州、嘉興、寧波などを経由する「通蘇嘉甬線」は2027年末に開通見込みで、上海大都市圈の西側が1本でつながれる。
「滬甬線」は上海と寧波を結び、「滬舟甬線」は上海港、寧波-舟山港というともに国際的な港を直結するもので、開通後は長さが中国屈指の海上道路となる。
これらにより、上海と周辺各都市が「1時間圏内」となり、都市群全体もほぼ「2時間圏内」で結ばれることになる。
3つの省と直轄市からなる長江デルタは中国最大の都市群であり、地級都市41か所を含めてGDPは中国全体のほぼ1/4となる30兆元以上に達している。
これらの都市群で、上海、蘇州、杭州、南京、寧波、無錫、合肥、南通、常州の9か所はGDPが1兆元を超えており、中国最大の大都市密集エリアとなっている。
また、環状高速鉄道の完成により中心都市同士の相互接続が一段と緊密になったほか、一般の地級市も取り込む形が出来上がった。
地域の一体化における一番の特徴は統合であり、中心都市のみが吸い上げる形を脱却しつつあり、波及効果を経て地域全体の発展へとつながっている。
これはまさに、長江デルタが中国で一番豊かになり均等的になった理由の一つである。
(中国経済新聞)