東京都内で四川省成都市の企業誘致イベントに出席

2025/05/16 21:44

5月12日月曜日、大阪の翻訳会社が東京都内で開催した、四川省成都市のプロモーションイベントに出席した。

イベント参加者は日中双方あわせておよそ30人で、現地の代表からビデオを交えたPRのスピーチが行われた。

青羊区とは、説明によると成都市のほぼ中心部に位置する賑やかな地で、2300年もの歴史を誇るという。

私は約17年間北京で生活していたが、残念ながら四川省を訪れることはなかった。当時はまだ高速鉄道が開通しておらず、鉄道利用であれば“绿皮车”と呼ばれる在来線で北京からほぼ24時間かかっていた。俗に“西南五省”と呼ばれる四川省、重慶市、雲南省、貴州省、チベット自治区はまだまだ遠い存在であった。

ところで四川省と言えば、やはりパンダである。

司会者のテーブルに座っていた特大のパンダ

今回は参加者全員にこの小さなぬいぐるみがプレゼントされた。会合の後で隣に座っていた青羊区の書記(代表者)と雑談した際、「家に幼い子供が2人いる」と言ったところ、快く2個目のぬいぐるみを渡してくれた。急速に親近感が湧いてしまった。

また、質問コーナーでは「パンダは経済効果が高いのでぜひ日本に貸与してほしい」などという要望も出ていた。

地元関係者と日本のビジネス関係者によるパートナー契約の調印式。

今回はほぼ飛び入りでの参加であったが、会場内で昔の通訳仲間に再会するなど、大変充実した時を過ごすことができた。主催者側によると、最近は中国からのプロモーション会議案件が多数あり、人集めに苦労しているという。コロナ禍も完全に払しょくされ、大衆メディアではあまり報じられていないが日中間のビジネス交流は予想以上に盛んになっている印象を受けた。

また今回、30人ほどの参加者の中で、明らかに中国から日本へ帰化した人も見受けられた。メディアは一般的に個人情報の報道を避けるので詳しくは知らないが、このような形の「日中交流」もひそかに増えているのだろう。

なお「帰化」は中国語で、同じく“归化”という言葉もあるが、一般的には“改籍”“入籍”などと言う。“入籍球员”と言えば、最近中国でもサッカー代表選手などで増えている帰化選手を指す。「新婚ホヤホヤの選手」という意味ではない。中国語の“入籍”に「結婚」という意味はない。

なお余談であるが、このイベントに参加する数日前に子供連れで大手商業施設に行ったところ、中国系の玩具店を発見した。

  • 最近オープンした「ポップマート」。中国語で“泡泡玛特”という。

デパートも中国人客が随分増えた。このポップマートもそれなりの値段で商品を販売しており、日本で人気ブランドとして定着することを祈りたい。

(森 雅継)

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【筆者】森雅継、東京都出身、早稲田大学商学部卒。北京在住歴17年で中国人の妻との間に2児、現在は家族4人で千葉県に在住。