8月18日、市場リサーチ会社IDCの最新報告によると、2025年第2四半期の中国のスマートフォン出荷台数は前年比4.1%減の6886万台であり、これまでの6期連続の増加にブレーキがかかった。メーカー別に見ると、ファーウェイが1250万台で首位に返り咲き、第1四半期トップだったシャオミは1040万台で4位に後退した。
ファーウェイは第2四半期、出荷台数は前年同期より3.4%減ったが、ブランド力や技術革新、製品ラインナップなど様々な利点を生かし、激しい競争の中で頭一つ抜け出した。また、引き続き研究開発に力を入れてOS「ハーモニー」の改良を重ね、製品を差別化したことも功を奏した。特にMateシリーズなどを抱える高級品分野で一段と消費者の評価や愛着感を獲得している。

第2四半期の中国のスマホ出荷台数、市場シェア、前年比伸び幅について、2位はvivoで出荷台数は前年比10.1%減の1190万台、3位はOPPOで同じく5%減の1070万台であった。
出荷台数上位5社のうち、シャオミはただ一つ前年比で3.4%の増加を果たしたが、第1四半期の1330万台より落ち込んだことで首位の座を明け渡した。
IDCによると、第1四半期の上位5社はシャオミ、ファーウェイ、OPPO、vivo、アップルで、シャオミはK70や14シリーズなどを相次ぎ発売したことで人気が集中した。ただ第2四半期は、これといった新商品がなかった上、これまでの製品在庫を引きずったことで、品出しに影響してしまった。
アップルは、第2四半期の出荷台数は960万台で5位であり、前年比1.3%減であったが減少幅は上位5社のうち最も少なかった。ブランドの威光やiOSシステムの普及性をバックに中国で安定したユーザー層を得ている。ただし、ファーウェイなど中国ブランドの激しい突き上げを前にシェアを伸ばしにくくなっている。
世界に目を向けると、第2四半期のスマホ出荷台数合計は前年比1.4%増の2.97億台で、メーカー別の上位5社はサムスン、アップル、シャオミ、vivo、伝音であった。
このうちアメリカの出荷台数は3.7%増の2566万台で、上位5社はアップル、サムスン、レノボ、グーグル、TCLであった。
第2四半期におけるアメリカの上位5社の出荷台数、市場シェア、前年比伸び幅
アメリカでは多くのメーカーが関税政策への対応として、品揃えを前倒ししている。アップルは出荷台数が引き続きトップ(シェア47.6%)で、大幅に増やした第1四半期の在庫量を維持し、台数の伸び幅は上位5社の中で最大の14.8%増であった。
サムスンも同じく第2四半期に在庫を大きく積み増ししたほか、「スマート出荷」との取り組みを強化し、台数は14.3%増であった。中堅クラスの機種にAIを導入して末端販売を刺激し、新製品のGalaxy A36やA56が好調となった。
レノボ(モトローラ)もアメリカで着実にシェアを拡大しており、出荷数は前年比2.4%増でメーカー別3位をキープしている。
IDCによると、世界の2大マーケットである中国とアメリカが関税政策や需要の伸び悩みにより低調になっている。こうした中、アメリカの主力メーカーは品揃え展開やAIの導入により市場の拡大を目指しているが、上半期にマーケットニーズが膨らんでしまったことで下半期はさほどの成長が望めない模様である。
(中国経済新聞)