Labubuが米国の感謝祭パレードに初登場 ― 中国発“潮玩”IP、北米で存在感を拡大

2025/11/30 08:30

ニューヨークの街に巨大なバルーンがゆっくりと浮かび上がるとともに、今年も「メーシーズ感謝祭パレード」が華やかに始まった。早朝の冷たい空気の中、今年の主役として意外なキャラクターが大きな注目を集めた。中国発の人気フィギュアシリーズ“潮玩(チョウワン/デザイナーズトイ)”のキャラクター Labubu(ラブブ) である。

泡泡瑪特(ポップマート)、ニューヨークで鮮烈アピール

米国東部時間11月27日、中国のフィギュアメーカーである泡泡瑪特(Pop Mart)が、同社として初めてパレードに参加。「Pop City」をテーマにした華やかなフロート(装飾車両)に、ブラウンのLabubu、ピンクのMokoko、さらにSkullpanda、Dimoo、Mollyといった人気キャラクターが勢揃いし、多くのニューヨーカーや観光客を魅了した。

アメリカではポップマートという企業名はまだ広く知られていないが、Labubuの知名度は急速に高まっている。特に子どもたちからの人気は強く、パレードに来ていた少女・モリーは「SNSでこのおもちゃを知った」と語った。また、ニューヨーク在住のマイクは「Labubuの歯は9本あるんだ。違ったらそれは偽物だよ」と笑いながら話し、ファンの熱量をうかがわせた。

世界のデザイナーズトイ市場が急成長

コンサルティング会社フロスト&サリバンの調査によると、世界の潮玩(デザイナーズトイ)市場は2015年の約87億元から2024年には約448億元へと拡大し、年平均約23%という高成長を続けている。

北米、欧州、中国が現在の主要市場であり、東南アジアや東欧など新興地域でも急速に市場が拡大している。

この波に乗り、多くの中国系新興ブランドがより高い利益率を求めて海外進出を加速させている。名創優品(MINISO)や瑞幸咖啡(ラッキンコーヒー)、喜茶(HEYTEA)、霸王茶姬(Princess Tea)などに加え、名創優品の関連ブランドである「TOP TOY」も海外店舗を続々と増やしている。

北米で高まる“中国キャラクター”の存在感

Keywise(ケイワイズ)の中国株ファンドマネージャー・徐涛氏は、優れたキャラクターIPを持つ企業はクリエイティブ力、国際的な影響力、マーケティング力において世界市場でも競争力を持つと指摘。株価が適正水準に調整されれば、再び投資家の注目を集める可能性があると述べる。

一方で、中国の新興消費ブランドが継続的に成長するには、新たなIPの創出、消費者の共感を呼ぶ物語性、そして海外市場への浸透力 が重要だと強調。キャラクターの寿命の長さとSNSでの拡散力が、中国ブランドの海外拡大を引き続き後押しするという。

ポップマートが見据える北米市場のポテンシャル

泡泡瑪特の最高執行責任者(COO)である司徳氏は、米国市場について「消費規模が非常に大きく、キャラクターデザインや関連グッズへの需要が旺盛。小売市場も成熟しており、ショッピングモールから人材まで環境が整っている」と評価する。

その一方で、「米国の製品アップデートの速度やデザインの柔軟性は、中国ほど速くはない」とも述べ、中国の強みが活かせる余地があると語った。

同氏は、「2年前から米国市場の可能性を理解し、優秀な現地チームを作り、小売の商習慣や流通の仕組みを一つひとつ把握してきた」と説明。昨年後半から米国での売上が急伸しており、今年についても「Labubuの大ヒットがなくても、北米の成長には強い自信がある」と述べた。

北米は中国発“新消費”の最重要拠点へ

世界的にデザイナーズトイ文化が広がる中、北米市場は中国ブランドにとって最も重要な戦略エリアとなりつつある。今回の感謝祭パレードでのLabubuの登場は、中国キャラクターIPが本格的に世界市場へ歩み出す象徴的な出来事だ。

今後、中国の潮玩ブランドが北米でどこまで存在感を高め、新たなカルチャーとして根付くことができるのか。その動向に注目が集まっている。

(中国経済新聞)