ブルーベリー価格が5割下落 出荷集中と生産拡大で「身近な果物」に

2026/03/11 13:15

 3月に入り、ブルーベリーの価格が大幅に下落している。主産地で収穫・出荷が集中したことに加え、近年の栽培面積拡大が重なり、産地での買い取り価格は春節前に比べて5割以上値下がり、前年同期比でも約2割下落した。価格低下を背景に、市場での売れ行きも好調に推移している。

 上海在住の劉さんは、高級果物の代表格だったブルーベリーが手頃な価格になったと実感している。春節時期には、果実の直径26ミリ以上の大粒ブルーベリーが500グラム当たり約170元(約3,570円)で販売されていたが、最近では一部のスーパーマーケットで同規格の商品が500グラム当たり約80元(約1,680円)まで下がり、値下げ幅はほぼ半分に達した。

 値下がりは一部地域にとどまらない。複数の電子商取引サイトでも、今年はより大粒で価格の安いブルーベリーが数多く出回っている。主流となっている果径18ミリ以上の雲南省産ブルーベリーは、500グラム当たり約40元(約840円)で販売されている。

 生鮮食品の宅配サービス大手叮咚買菜によると、同社は今年、さまざまな規格の雲南産ブルーベリーを取り扱っている。例えば「18ミリ・250グラム」規格の商品は、3月10日時点で前年同期に比べて約23%値下がりした。

 動画配信を活用した電子商取引でも価格低下は顕著だ。これまで小箱単位で販売されていた雲南産の高級品種「花香ブルーベリー」が、現在では大容量の量り売りで販売される例も増えている。価格下落を受け、SNSでは「今年の春は“ブルーベリーを気軽に楽しめる”」「飲み物1杯分の値段で新鮮なブルーベリーが買える」といった声も上がっている。

 上海の青果会社創業者、李剛氏は、雲南の主産地に約5,000ムー(約333ヘクタール)のブルーベリー農園を保有する。同氏によれば、今年の雲南産中粒ブルーベリーの産地買い取り価格は1キログラム当たり60~70元(約1,260~1,470円)で、春節前から約5割下落した。通常、3~4月は出荷の最盛期に当たり価格が下がる時期だが、今年は前年同期と比べても約2割安い水準となっている。

 価格急落の背景について李氏は、「一時的な要因も大きい」と分析する。2026年初めから雲南では晴天が続き、ブルーベリーの成熟が早まった。一方、春節期間中は人手不足で収穫作業が進まず、結果として出荷時期が集中。在庫が積み上がったことで価格が押し下げられたという。ただ、在庫の消化が進み、ここ数日は価格がやや持ち直している。

 叮咚買菜も、価格下落の要因として、祝日後に収穫分が一斉に出荷されたことに加え、天候の影響で豊作期が前倒しになったことを挙げている。

 一方で、構造的な供給増も価格下落を後押ししている。業界調査によると、2024年の中国全体のブルーベリー生産量は78万トンと、2020年と比べて約197%増加した。さらに、ブルーベリー産業関連の展示会で公表されたデータでは、2025年の栽培面積は158万ムー、生産量は81万トンに達した。

 業界団体亞果会でブランド事業を担当する劉沢坤氏は、2025年以降も栽培面積の拡大が続き、生産量は前年同期比で約5割増加したと指摘する。供給量の大幅な増加に加え、一部産地で早期出荷を促す栽培方法が十分な効果を上げられず、出始めの商品の品質が低下。これが全体の価格相場を押し下げた。また、優良品種の普及に伴い品質差が広がり、市場価格の二極化も進んでいるという。

 販売面では需要の拡大が続いている。叮咚買菜の統計によると、2020年のブルーベリー販売額は前年に比べて57%増加。その後も毎年30%以上の成長を維持してきた。今年は価格下落が追い風となり、市場全体の販売量はさらに増加、売上高は約35%伸びる見通しだ。

 劉氏によれば、湖北省のある卸売市場では、現在1日に100コンテナ分のブルーベリーが取引されている。ブルーベリー産業は今後、「高収益の時代」から安定成長の段階へ移行するとみられるが、市場規模の拡大余地は依然として大きい。

 李氏は「ブルーベリーは高級果物から日常的な果物へと変わりつつある」と指摘する。価格下落は必ずしも悪いことではなく、現在でも栽培の粗利益率は約30%と他の果物より高い水準を維持している。将来的には20%程度まで低下する見込みだが、価格が下がることで消費市場はさらに拡大し、産業全体の成長余地はむしろ広がるとの見方を示した。

(中国経済新聞)